バイトより派遣の方が稼げるってホント?違いやメリットを徹底解説

バイトより派遣の方が稼げるってホント?違いやメリットを徹底解説

「派遣とアルバイト、どっちが良いんだろう?」「派遣の方が稼げるって聞いたけど、本当?」この記事では、派遣社員とアルバイトの違いや特徴を徹底的に比較し、それぞれの働き方のメリットを紹介します。自分に合った働き方を見つける参考にしてください。

派遣社員とアルバイトの6つの違い

派遣とアルバイトの6つの特徴の違いをそれぞれみてみましょう。

  1. 雇用主の違い
  2. 雇用期間の違い
  3. 職種の違い
  4. 時給の違い
  5. 勤務日数・勤務時間の違い
  6. 福利厚生の違い

雇用主の違い

派遣とアルバイトでは雇用主が異なります。派遣の雇用主は派遣会社なのに対し、アルバイトの雇用主は勤務先企業です。
派遣は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で勤務します。給与や福利厚生は派遣会社から支給され、業務の指示は勤務先企業から受けます。一方、アルバイトは、勤務先企業と直接、雇用契約を結び、給与や福利厚生、業務の指示を企業から受けます。

雇用期間の違い

派遣の場合、同じ派遣先で働けるのは原則、最長3年までです。派遣期間が終了すると、新しい派遣先で働くことになります。
一方、アルバイトには雇用期間に制限はなく、更新すれば同じ企業で継続して働くことが可能です。

職種の違い

派遣では、オフィスワーク系などスキルや経験を活かせる職種が多い一方、アルバイトでは販売・サービス系など未経験者向けの仕事が多い傾向です。

時給の違い

派遣とアルバイトは、どちらも時給制や日給制で働く点は共通していますが、派遣の方が時給が高い傾向にあります。2024年10月度の調査結果では、派遣社員の平均時給は1,666円に対し、アルバイトは1,212円でした(株式会社リクルート調査)。

三大都市圏(関東・東海・関西)平均時給(2024年10月)

職種派遣社員の平均時給(円)アルバイトの平均時給(円)
一般事務1,6311,272
医療事務1,4171,168
受付1,4771,247
販売1,4411,187
三大都市圏 全体1,6661,212

出典:株式会社リクルート調査研究機関「ジョブズリサーチセンター】

職種派遣社員の平均時給(円)
営業・販売・サービス系1,486
製造・物流・清掃系1,414
オフィスワーク系1,644
IT・技術系2,216
医療介護・教育系1,516
三大首都圏 全体1,666

2024年10月度 派遣スタッフ募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】

職種アルバイトの平均時給(円)
販売・サービス系1,189
フード系1,178
製造・物流・清掃系1,225
事務系1,274
専門職系1,375
三大首都圏 全体1,212

2024年10月度 アルバイト・パート募集時平均時給調査【三大都市圏(関東・東海・関西)】

勤務日数・勤務時間の違い

派遣の求人は週5日のフルタイム勤務が一般的ですが、アルバイトの求人は短時間や短日数勤務が多い傾向です。
勤務する時間についても、派遣は固定されることが多いですが、アルバイトはシフト制などで変動することが珍しくありません。

福利厚生の違い

派遣は、派遣会社の福利厚生が適用されます。勤務日数等の要件を満たせば、社会保険の加入や健康診断の受診、有給休暇の取得が可能で、派遣会社によっては、研修やキャリアサポート支援も整備されています。
一方、アルバイトも1週間あたりの労働時間などの加入要件を満たせば、社会保険、有給休暇取得などの法定福利厚生を受けられます。ただし、その他の福利厚生は雇用元の企業によって異なり、限定的な場合があります。

アルバイトより派遣の方が時給が高い!その3つの理由

アルバイトより派遣の方が時給が高い!その3つの理由
平均的な時給はアルバイトよりも派遣の方が高いことが分かりました。それではなぜ、派遣のほうが時給が高いのでしょう。3つの理由をご紹介します。

採用にかかるコストを抑えられるから

1つ目の理由は、採用にかかるコストの違いです。アルバイトの場合、自社で募集を行うため、求人サイトへの掲載費用や面接時間などの人件費がかかります。
一方、派遣の場合、派遣会社が必要なタイミングで即戦力となる人材を紹介してくれるため、企業は採用にかかるコストを削減でき、派遣の時給を高く設定することができるのです。

社会保険料の支出などを削減できるから

2つ目の理由は、社会保険料の負担の違いです。アルバイトは、社会保険などの費用を企業側が負担しますが、派遣の場合は派遣会社が負担します。有給休暇も派遣会社から支給されるため、企業側の負担がありません。
また、派遣社員の給与計算や社会保険の事務処理も派遣会社が行うため、企業側の負担が軽減されます。

基本的にボーナスや昇給がないから

正社員と比較すると、派遣社員はボーナスや昇給は基本的にありません。企業によっては交通費が支給されない場合もあります。時給にボーナスや交通費分が上乗せされるため、時給が高く設定されます。
また、時給を高く設定することで、長期雇用でない派遣社員のモチベーションを維持し、優秀な人材を確保しやすくしていることも考えられます。

派遣とアルバイトのメリット・デメリット

それぞれのメリットとデメリットについて、みてみましょう。

派遣で働くメリット

時給が高め

アルバイトと比べると時給が高く設定されています。したがって、同じ仕事をするなら、派遣の方がより多くの収入を得ることができるでしょう。

大手企業などで働くチャンスがある

派遣社員だからこそ、大手企業や有名企業で働くチャンスがあります。中途採用がほとんどなく、採用条件が厳しい有名企業でも、派遣ならば働く機会を得られることがあります。このような機会は、キャリアアップにおいても非常に有益となります。

派遣会社に相談できる

職場で不安や困りごとがあれば、派遣会社の担当者に相談することができます。直接雇用では言いづらいことも、派遣会社にはききやすく、派遣先と交渉しやすいです。職場の悩みを相談できる相手がいるのは心強く、安心して働ける要素の一つとなります。

派遣で働くデメリット

雇用期間の制限と更新ごとの不安

同一企業先で働けるのは最長3年と定められています。またその間、通常は3か月ごとに更新があり、その更新可否は就業先の判断に委ねられます。
このため、仕事や環境が合わない場合は更新時に辞めやすい反面、3か月ごとに「更新されるかどうか」という精神的不安や、長期的収入の不安定さといったデメリットがあります。

派遣会社によって時給や待遇が異なる

派遣会社によって、同じ仕事でも時給が異なる場合があります。これは、企業がそれぞれの派遣会社に支払う費用が異なるためです。そのため、派遣会社を選ぶ際には、福利厚生も含めて慎重に検討することが重要です。

業務の範囲があらかじめ決められている

派遣の業務内容は契約書に細かく明記されているため、企業は規定された業務しか派遣社員に依頼することはできません。これは派遣社員を守る一方、裁量の大きい業務をしたい人には物足りなさを感じてしまうかもしれません。

アルバイトで働くメリット

柔軟に勤務時間や日数を調整しやすい

1番のメリットは、シフトや勤務時間の柔軟性が高いことです。シフトや勤務時間を比較的自由に選べるため、自分の生活リズムやスケジュールに合わせて、より自由度の高い働き方が可能です。

未経験でも働きやすい

多くの場合、特別な資格や経験を必要としないため、始めやすいのが特徴です。また、アルバイトの種類は多岐にわたります。このため、未経験でも気軽に始めることができ、自分の興味やスキルに合った仕事を見つけやすいのが大きな特徴です。

気軽に掛け持ちできる

アルバイトは短期間や短時間の求人が豊富にあります。並行してアルバイトを掛け持ちすることもできるため、より自由に多くの収入を得ることが可能です。

同じ場所で長く働ける

アルバイトは、派遣のように働く期間に制限がないため、同じ職場で長く働ける可能性が高くなります。調査によれば、アルバイトの勤務期間で最も多かったのは、5年以上でした。(引用:株式会社マイナビ「アルバイト就業者調査(2024年)」)
アルバイト就業者調査(2024年)詳細へ

アルバイトで働くデメリット

派遣に比べて時給が低い

派遣と比べアルバイトは時給が低く、シフト制などで勤務が変動しやすい傾向にあります。シフトが少ない月や休みが多い時期には、給与が安定しにくいというリスクがあります。

自分で求人を探す必要がある

派遣の場合は、派遣会社を介するため自分で仕事を探す手間を省くことができます。しかし、アルバイトは、自分自身で求人情報を探し応募する必要があります。

キャリアアップしにくい

アルバイトでは、裁量の大きい業務を任されることが少なく、キャリアアップを目指す人には物足りなさを感じることがあります。教育を受ける機会も限られており、長期的なキャリア形成には向いていないのが現実です。

結局、派遣にする?アルバイトにする?

結局、派遣にする?アルバイトにする?
最終的に、どのような働き方が自分にとって一番良いのでしょうか?

派遣が向いている人

スキルを活かして働きたい人

スキルや経験を活かして働きたい人には、それらを活かせる求人が多い派遣の方が向いています。
異なる企業やプロジェクトで幅広いスキルを身につけることでキャリアの幅を広げることができ、自身のスキルアップに繋がりやすいです。

高い時給で働きたい人

一般的に派遣はアルバイトよりも時給が高く、自分のスキルに見合った報酬を得ることができます。

アルバイトが向いている人

柔軟な労働時間を望む人

アルバイトは、時給では派遣に及ばないものの、1日の労働時間が短く、働く時間や日数を選びやすく融通が利くのが1番の特徴です。
他の活動と両立したい場合や掛け持ちにも挑戦でき、柔軟に働きたい人にはアルバイトは大変魅力があります。

未経験の職種に挑戦したい人

未経験でも応募できる求人が多いことも大きな魅力です。特別な資格や経験がなくても気軽に始められるため、新しい分野に挑戦したい人、色々な経験をして自分の特性を見つけたい人には良い選択肢です。

まとめ

一般的に、同じ仕事をするなら派遣の方がアルバイトよりも高い時給を得ることが多いです。これは、派遣社員がスキルや経験を活かせる求人が多く、派遣会社を介することで、結果的に高い時給が設定されることがあります。

ただし、アルバイトでもスキルや知識が求められる職種では高い時給を得ることができますし、派遣でも、地域や契約内容によって時給は異なります。

また、派遣には契約期間に制限がある一方で、アルバイトは比較的長期間働くことができるほか、融通が利くため、柔軟な働き方をしたい場合はアルバイトの方が向いているかもしれません。

つまり、どちらが稼げるかは個々の状況や働き方の選択によって異なります。自分のスキルや目標、ライフスタイルに合わせて最適な選択をすることが大切です。この記事があなたの働き方の参考になれば幸いです。