動物のシャンプーやカット、ブラッシングなどを行うペットの美容師ともいえるトリマー。社会人からトリマーを目指せる?働きながら技術を学べる?通信講座って実際どうなの?必須の資格などを含めて気になるところを調査しました。
トリマーとはどんな仕事?
トリマーといえば、犬のシャンプーや毛のカット、ブラッシングを行う姿をイメージできる方も多いでしょう。はじめにざっくりとメインとなる仕事内容をご紹介していきます。
- 爪切り、耳掃除など
- 肛門腺絞り、歯磨きなど
- ブラッシング
- シャンプー、リンス
- ドライニング
- カット
そしてペットの健康状態をチェックするということも、大切な仕事です。皮膚の状態や耳や目に異常がないかなど、トリミングと同時に飼い主だけではケアできない健康の維持を手助けできる力が必要です。
どうやってトリマーの資格を取得する?
技術と専門性が必要なトリマーの仕事。今トリマーをしている方はどのようにしてこの職業に近づき、またどんな資格を持っているのでしょうか?一般的なケースを交えて技術を学ぶ方法をみてみましょう。
専門学校(養成コース)に通う
専門学校などの養成コースで学び、就職活動を行う方が一般的です。学校によってカリキュラムは様々ですが、実習を多く取り入れている学校を選ぶことで、卒業後に即戦力となれる技術をアピールすることにつながります。
専門学校(養成コース)に通うメリット
専門学校に通うことの良い点は、学科だけでなく実践練習が行えること。また、就職活動を考えている人は学校から求人情報を得たり就職相談ができたりすることもあげられます。また同じトリマーを目指す仲間に出会えるので、業界の情報共有が行えること、ともに高めあう関係を築けば自身のモチベーションにも繋がります。認定団体が発行する資格を受験することができるカリキュラムを組んでいる学校もあります。
専門学校(養成コース)に通うデメリット
専門学校に通うには学業に専念できる環境と財力があることが前提となります。しかし、学費に関しては納得できるカリキュラムであるかを自分で見定めたうえで、必ず成し遂げるという想いが強ければデメリットに感じるポイントではなくなるでしょう。自分のために使える時間を考えると、平日仕事をしている社会人や子育て中の主婦(夫)には厳しい環境であるといえます。
働きながらトリマーの資格を取るには
学業に専念することが難しい環境の方もいます。または、自分に向いているのか学びながら考えたいという人もいるはずです。働きながら学ぶことを視野に入れている方にはどんな選択が考えられるか視野を広げてみましょう。
夜間コースのある学校に通う
18時からなど遅い時間帯に実施するコースがある学校もあります。なかには土日の授業があったり、週〇日と自分で曜日を組み立てられるコースを受け付けているところもあります。こうした集中型のスクーリング制度は働きながら学びたい方には両立する手段のひとつとなるでしょう。また、集中して技術を習得する時間を過ごすことができます。昼間のコースほど費用がかからないケースもあります。
通信講座を受講する
通信講座はテキストや動画を使って自宅に居ながら学習していくスタイルです。学校に通うより費用を抑えることができ、また好きな時間に自分のペースで学ぶことができます。また資格の試験をwebで受検できるシステムのところもあります。しかし、実際にモデル犬に施術することができないため、あくまで自分の中の知識を増やすインプット型の勉強が中心になってしまいがちです。トリマーとして活躍していくには、実践経験を積むことはとても重要なことだと言えます。
トリマーに必要な資格
さて、ここまでどのように資格取得を目指すケースが多いか、また学びの手段があるかをみてきました。それではトリマーになるために必須な資格とは何でしょうか。
トリマーとして働くために必要な資格はない
ペットの美容師ともいわれるトリマーですが、実は必ず取得しなければならない資格はありません。つまり無資格でもトリマーと名乗ることは可能です。トリマーになるための国家資格はありませんが、各団体が認定し発行する民間資格があります。代表的ないくつかの資格を一覧にまとめました。
資格名称 | 認定団体 |
---|---|
JKC公認トリマー | 一般社団法人ジャパンケンネルクラブ |
AAV認定サロントリマー検定 | 一般社団法人全国動物専門学校協会 |
JDA公認トリマー | 全日本愛犬技術者指導協会 |
SAE公認トリマー | 全日本動物専門教育協会 |
JPLA認定トリマー | 日本ペット技能検定協会 |
この他にも多くの資格があります。そして、各資格によって受験資格は異なります。誰でも受けられる通信講座のものから、団体公認の養成機関で所定の課程を修了することで受けることができるものなど、様々です。また、どの資格を取得したいのか、どれだけの期間をかけられるのかで、専門学校に通う必要があるのかを判断する基準にもなるでしょう。
トリマーの資格は意味がない?
トリマーになるために資格が必要ないなら、取得する意味があるのかと思う方もいるかもしれません。しかし、経営者の立場になって独学や未経験の人を採用したいか、またはお客様側としてペットのトリミングをお願いしたいか、と考えたとき分かりやすく.
「通信講座で取れる資格では採用に役立つものではない」という記事もみかけるはずです。
「自分のペットをお家でキレイにしてあげたいと思ったことがきっかけ。通信講座を受講してみて転職も考え始めた。次のステージに向けて引き続き勉強したい。」という、経験談もありました。最初からトリマーとして働こうと思っていなくても、後々自分が目指す場所がみつかるケースもあることがわかります。
「資格取得までの勉強を通して専門的な知識が身に付き、自分の自信につながる」「就職活動の際、アピールできる材料にしたい」などはもちろんのこと、資格取得を目指す人の目的は様々です。どうして資格取得したいのか自分の目的を考えてみると方向性が見えてくるでしょう。
まとめ
働きながらトリマーの資格を取ることは可能です。資格が必要か悩んでいる方、またはどの資格に挑戦するか検討している方は、自身の今の目的を考えてみましょう。どの手段が最善で、なにが必要なのかおのずとみえてくるでしょう。また途中から目的や目標が変われば、それもありです。
ペットショップのアルバイトから始めて、同時にトリマー資格の勉強をしているという経験談もみられました。まずその道を知る環境に身をおき、必要な技術を身に付けていくことも資格取得・トリマーになっていく方法のひとつです。またトリマーは実力があれば誰でも目指せる職業ともいえます。自分にあった知識の付け方、資格取得までの道のりを経験値にして、自分の目的にあった道を進んでください。