勉強が生活の中心の大学院生。
講義や研究が忙しく、飲食店や販売のアルバイトをしている時間はあまり取れないでしょう。
でも、生活には何かとお金がかかりますよね!
生活費やお小遣いは、なんとか効率よく稼ぎたいと考える方も多いと思います。
今回は、大学院生が大学内でできるアルバイト、「TA」について解説します。
TA(ティーチングアシスタント)とは
大学院生になると、TAというアルバイトができます。
TAとは「Teaching Assistant(ティーチングアシスタント)」の略称で、主に修士課程や博士課程の大学院学生が、大学の授業や実習の際に、教員のサポートをする役割です。
このサポートを通じて、「大学の教育がスムーズかつ豊かになること。」「大学院生がTA経験を通して技能の習得や、教育力を向上させる」目的があります。
割と新しい制度であり、近年だんだん増えてきて、現在は多くの大学で採用されるようになりました。
TA(ティーチングアシスタント)の仕事内容は
TAの仕事は、具体的にはどんな内容でしょうか。
授業のサポート
実習・実験補佐
授業前の教材・実験器具準備など。
大学の実験では精密機器の使用や細かい作業が多く、正確性を求められるため、よりスムーズに行われるように下準備をします。
学生への助言・質問への対応
ハードルが高そうですが、自分も学部生時代にその授業を受けていたので、大学生が同じ悩みを持っていたり、答えやすいはずです。
出欠席の確認・講義に必要な資料の準備
学生の講義の出欠を確認し、管理します。また必要な資料があれば、事前に人数分のコピーや配布をします。
課題や提出物の添削、回収、管理
課題や提出物のとりまとめや、チェックを行うことがあります。
オンライン授業
また、コロナ禍で、オンライン授業が導入されるようになりました。
オンライン授業では、出欠確認や実験の説明、補助解説、質疑応答などを、すべて自宅にてパソコンで作業します。
学生の反応や理解が不明で分かりづらい点もありますが、移動や器具の使用もなく、仕事量としては楽になります。
仕事の内容は、学部や教員によって指示が違ってきますので、仕事量も変わります。その都度確認が必要でしょう。
勤務時間
ちなみに時間にあてはめると、こんなスケジュールになります。
- 事前準備:約30分 出勤し、授業の準備をする
- 講義:1~2コマ 90分~180分 講義・実験時間中の補佐
- 終了後の片付け:約30分
授業内容にもよりますが、準備が終わればあまり忙しくなく、余裕がある・楽である。という声が多くみられました。
どうしたらTA(ティーチングアシスタント)になれる?
大学内での公募
主に長期休みの間に、大学内で公募があります。募集期間の間に書類提出すること。
(前期後期(春・秋)の年2回、または年一の場合もあり) 勤務開始の1~2か月前から、早めに募集が始まります。大学の掲示板・ホームページ等で確認しましょう。
教授から声がかかる
もう一つは、教員から直接頼まれる場合です。
理系の学生であれば、大学生の実験の補佐役として、TAを頼まれることも少なくないでしょう。
TAに必要なこと
採用が決まったら、所定の講習や研修を受け、準備をします。
担当する講義の内容の知識をひととおり持っていることが大切です。
個人情報を扱うこともあるので、情報管理への意識があること。
また、事務的な処理能力だけでなく、コミュニケーション能力も必要でしょう。
学生からの質問に分かりやすく対応できる能力を求められています。
TA(ティーチングアシスタント)の給与はどのくらい
気になるTAの給与ですが、時給で1000円~1500円が一般的です。
大学や学部、業務内容によって異なり、大学や学部、私立か国公立かによっても違いがあるようです。
大学によっては、「講義」と「準備」の時間分は別に計算されて、実際の勤務時間分より多めに支払われる場合もあります。
”割の良いアルバイト”といわれる理由はそのあたりにありそうです。
但し、ほとんどの大学で、事前に担当時間数や上限が決まっています。
【例】
A大学 | 週15時間以内 |
B大学 | 1日7時間以内 |
C大学 | 週間につき 10 時間以内 且つ1ヵ月の勤務時間は40 時間以内 |
そのため、自由に好きなだけ働く、ということはできません。
大学の募集要項に記載があるので、それぞれご自身の大学をチェックしてみてください。
参考:東京女子大学「2023年度 ティーチング・アシスタント募集について」
参考:神奈川大学「TA(ティーチング・アシスタント)制度の運用について」
参考:東北大学「東北大学のTA制度」
TA(ティーチングアシスタント)の良かったこと・メリット
TAの良い点はどんなことでしょうか。
効率的にお金を得ることができる
大学院生は勉強に忙しく、なかなか長時間のアルバイトには手が出せません。
その点、TAバイトは
- 学内なので通勤時間や移動がない
- 慣れた場所で、知識のある分野の仕事
- 実働内容の割に、時給が高い
なんと言ってもまずは、省エネとコスパの良さが一番のポイント!でしょう。
教育トレーニングの経験になる
- 教育力・指導力がつく
- 学び直しを通して自身の研究の理解を深める
- TAの経験を就職でアピールする
さらに、
“奨学金の返済免除審査”の際には、教育研究活動の業績として評価対象になる。というポイントもあります。
学びが深まるだけでなく、今後の人生にも役立つと言えるでしょう。
TA(ティーチングアシスタント)困ったこと・注意点・デメリット
比較的楽に仕事ができるバイトですが、注意点もあります。
- 思ったほどは稼げない
- 学部での募集人数が少ない
- オンライン授業では説明が伝わりにくい
- 学生全体へ目を配るのが難しい
- 個人情報の扱いには注意が必要
- コミュニケーションスキルが求められる
TAは、担当する授業時間数が決まっています。希望しただけ働けるわけでは無いので、自分が思っていたより稼げない、と思うかもしれません。
大学生のサポートとなるので、コミュニケーションが苦手な人には、大変と感じる場面もありそうです。
TA(ティーチングアシスタント)に向いている人とは?
コスパ重視!短時間で合理的に働きたい人
移動時間を省いて短い時間でギュッと着実にお金を稼ぎたい人には適しています。
慣れている環境で働きたい人
学業と全く関係ない仕事は避けたい という人や、知識を活用できる場がいいと考えている人にもおすすめです。
就活エントリーシートや面接でアピールしたい人
TAの経験は、就活のエントリーシートや、面接の際に話すエピソードとして活用できるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
時間のない大学院生の暮らしを支えるオススメのアルバイト、「大学のTAバイト」について、解説してみました。
大学院生にとって、TAバイトの働きやすさはピカイチでしょう。
大きなお金にはならないかもしれませんが、移動時間が取られず、専門分野の勉強の延長上で仕事ができて、学生とのコミュニケーションや指導のトレーニングにもなる・・・
と、一度に色々と利点があり、学業との両立にピッタリだと思います。
募集期間や人数が限られているバイトですから、しっかり調べて、是非働いてみてください!