服飾・ファッション系の専門学生に限らず言えることですが、多くの専門学生から「学校の授業料の他にかかる諸費用が想定よりもかさんでやりくりが大変」という声を聞きます。たしかに専門学生も大学生と同様に卒業までにはさまざまな場面で出費が続きますよね。
地方から上京した専門学生であれば家賃や生活費が継続してかかります。そうでない専門学生も、勉強のためのパソコン・タブレットや課題に取り組むために新しく揃えるものにも費用がかかります。また、ファッション系の専門学生は、日々服飾やファッションのセンスを磨くために衣服や髪型などファッションに関する費用も多くなりがちです。
こうした出費を補うためにも、多くのファッション系の専門学生がアルバイトをしています。服飾・ファッション系の専門学生でこれからアルバイトを始めたいけれど、何のアルバイトをしたらいいのかわからない。そんな方々に向けてジャンル別にわかりやすくおすすめのアルバイトを紹介していきます。
服飾・ファッション系専門学生のアルバイト選びのコツとは?
まず、アルバイトの目的は大きく分けて三つあります。
- アルバイトをすることでお金を得るという目的。
- アルバイトを通して働くという社会経験を得るという目的
- アルバイトを通して学校以外の人脈をつくるという目的
アルバイト選びに失敗しないために必要なコツは、これらの目的と自分ならではの条件を重ねた上で、どんなアルバイトが現在の自分に最適なのかを応募の前に見極められることです。ファッション系の専門学生に適したアルバイトとはどのようなものになるのか、代表的な一日の流れを見ながら分析していきましょう!
服飾・ファッション系専門学生の一日の流れ
(昼間部の専門学校+夜バアルバイト3時間)
(日中アルバイト6.5時間+夜間部の専門学校)
比較をわかりやすくするために基本的な生活リズムを同一にした上で、平日専門学校がある日にアルバイトを行った際の一日の流れの例を、昼間部・夜間部の場合に分けて円グラフにしてみました。こうしてみるとどちらもかなり目一杯なスケジュールとなりますが、全体として昼間部は専門学校の授業の時間にウエイトがあり、夜間部はアルバイトの時間にウエイトがあることがわかります。
この例が示すように、どんなバイトをいつ・どのくらいの時間行うのかで専門学生としての勉強や課題に取り組む時間の確保にも大きな影響があることがわかります。長期の休みや週末に集中してアルバイトを行えば、平日のスケジュールには余裕ができて勉強や課題に取り組みやすい環境になるでしょう。
ファッション系の専門学生に適したアルバイトとは?
では具体的にファッション系の専門学生に適したアルバイトとはどのような条件のものがあるのかみていきましょう。
- 将来のファッション・服飾業界への就職を見据えて経験値となる販売員のアルバイト
- 休日や夏休みなどまとまった時間を利用して単発もしくは集中的に稼げるアルバイト
- 短時間で効率よく稼げる高時給のアルバイト
- 勤務場所が自宅から近くて時間や曜日の都合がつきやすいアルバイト
などの条件が挙げられます。それぞれの生活状況や経済状況に照らし合わせて、どのような条件でどのようなジャンルのアルバイトに応募するのかを絞っていきましょう。
ジャンル別おすすめのアルバイト6選!
ここからはファッション系の専門学生に6つおすすめなアルバイトをジャンル別に挙げ、それぞれのアルバイトの特性とおすすめポイントを紹介していきます。どんなアルバイトにもメリットとデメリットがありますが、どのアルバイトが一番自分の目的や条件を満たし、学業との両立がしやすいかを考えながら読んでみて下さいね。
アパレル販売員のアルバイト
アパレルの販売員のアルバイトはファッション系の専門学生であれば真っ先に思い浮かぶアルバイトの一つではないでしょうか?アパレルの販売員の例としては、ファスト・ファッション系のブランドの店舗スタッフやセレクトショップのスタッフ、古着屋さんのスタッフなどが代表的な例として挙げられます。
アパレル販売員のアルバイトの仕事内容は
- 接客業務全般(お客様への声掛け・会計・梱包・電話対応など)
- 商品の陳列・たたみ直し・ディスプレイ
- 商品管理業務
などがあります。
ファッション系の専門学生がアパレルの販売員のアルバイトをする大きなメリットは、将来の就職に向けて服飾・ファッションに関係する仕事のスタッフとして携わることができるということです。好きな衣服やファッションアイテム、ファッション好きなスタッフに囲まれてアルバイトができるのも魅力的な要素です。
他のアルバイトと比べて就職活動の面接においてのアピール材料にすることも可能ですし、ファッションやおしゃれのセンスを磨く機会にもなります。また週末・祝祭日に混み合う店舗が多いことから、専門学校が休みの週末や祝祭日にアルバイトに入りやすい傾向があります。
一方で、長時間の立ち仕事になること。接客や陳列・ディスプレイのセンスが問われること。多くの商品を取り扱うため特性を覚えるのが大変なこと。高時給ではないこと。高級ブランド等の店舗では学生アルバイトの求人が少ないこと。ノルマを求められることがあること。などがアパレルの販売員アルバイトのデメリットとして挙げられています。
居酒屋のアルバイト
日本では労働基準法第37条第4項により、夜22:00〜翌朝5:00の労働は原則として通常の賃金の2割5分以上の割増賃金を支払わなければならないと定められています。居酒屋のアルバイトはもともとの時給もやや高めな上に、勤務に就く時間が深夜帯に重なることが多いため高時給のアルバイトを探している専門学生の候補に挙がりやすい選択肢の一つではないでしょうか?
賑やかな場所が好きでアルバイトを通して多様な人脈をつくりたい専門学生にはおすすめなアルバイトと言えます。服飾・ファッション系の専門学校は大都市圏にあることが多いので、専門学校から近い店舗の求人も比較的見つけやすいアルバイトの一つでしょう。接客のマナーやコミュニケーション力を伸ばしたい方にもおすすめです。
一方で、繁忙期やピークタイムはシフトスケジュール・業務ともに忙しくなることが多いこと。店舗特性やタイミングによっては、マナーの悪いお客様への対応をする場面があること。トイレ・ホールの掃除やゴミ出しなど、きれいではないものに触れる機会が多いこと。などが居酒屋のアルバイトのデメリットとして挙げられています。
コンビニのアルバイト
コンビニのアルバイトは求人数が比較的多く、自宅や専門学校の近くの店舗での求人も探しやすい傾向があります。また平日短時間のみの勤務や、反対に休みの前日に早朝や深夜帯で効率よく稼ぐことも可能です。
学業との両立で時間のやりくりが大変な専門学生には、コンビニのアルバイトは費やす時間をみつけやすいアルバイトと言えるでしょう。また目的意識を持ってアルバイトに取り組むことで、基本的な接客のマナーや商品の陳列の技術を身に付けることができます。
一方で、接客の他にも業務が多岐に渡り覚えることが多いこと。立地や時間帯でかなり混雑することもあるため、手早く業務をこなす必要があること。幅広いお客様層への柔軟な接客対応を求められること。高時給ではないこと。などがコンビニのアルバイトのデメリットとして挙げられています。髪型・身だしなみについては各コンビニによっても規定の違いがあるようですので応募の前に確認しておきましょう。
コールセンターのアルバイト
コールセンターのアルバイトは比較的高時給の求人が多いと言われています。また勤務シフトの柔軟性が高く、短時間の勤務も可能な求人も多くみられる傾向があります。お客様と対面で対応することが原則ないため、服装や髪型が自由な求人も見つけやすいようです。
対面での接客の経験よりも短時間で効率よく稼ぎ、服装や髪型は自由に楽しみおしゃれのセンスを磨きたいというファッション系の専門学生にはおすすめなアルバイトと言えます。
一方で、マニュアルが整備されているとはいえ、クレームや理不尽な問い合わせへの対応などでつらい思いをすることがあること。新商品の売り込みなどのテレアポのアルバイトでは、ノルマがなかなか達成できなくて大変なこともあること。などがコールセンターのバイトのデメリットとして挙げられています。
引っ越しのアルバイト
引っ越しのアルバイトは短期や少ない勤務日数でも相談可能な求人の代表格で比較的高時給なアルバイトの一つです。普段は学業や就職の準備等にウエイトを置き週に1回だけ集中して体を動かしながら働きたいファッション系の専門学生にはおすすめのアルバイトと言えます。
力仕事に自信が無い女性でも、やや時給は下がるものの割れ物の梱包などのサポートスタッフの求人もあるので、選択肢の一つとして加えてみても良いでしょう。
一方で、繁忙期は特にタイトなスケジュールだと体力的にしんどいこと。夏は暑く冬は寒い仕事であること。案件によって汚い部屋での作業などがあること。仕事を入れすぎて腰や膝などを痛めてしまったこと。などが引っ越しのアルバイトのデメリットとして挙げられています。
短期派遣のアルバイト
短期派遣のバイトは週末・祝祭日など専門学校が休みの日や夏休みなどのまとまった休みを利用して集中して稼げるアルバイトのため、学業とバイトを両立したいファッション系の専門学生にもおすすめできるアルバイトの一つとして挙げられます。
代表的な例としては、イベントスタッフやリゾートバイトなどが挙げられます。短期派遣のアルバイトは長期のアルバイトと比べると、アルバイトをする時期と学業に専念する時期とをはっきり区別できるところがメリットです。アルバイトに入る際は各規定に則した対応が必要ですが、普段はおしゃれのセンスを磨くために服装や髪型を自由に楽しむこともできます。
一方で、友人と一緒に応募して採用されるケースを除くと、初めての場所で初めて会うスタッフと働くことが多く、コミュニケーション力や多少の勇気が求められること。短い時間で仕事を覚え、手際よく仕事をこなす器用さが求められること。一回のバイトが長時間になることが多いため一定の体力が求められること。収入が安定しにくいこと。などが短期派遣のバイトのデメリットとして挙げられています。
まとめ
服飾学生・ファッション系の専門学生におすすめのアルバイト6選として
- アパレル販売員のアルバイト
- 居酒屋のアルバイト
- コンビニのアルバイト
- コールセンターのアルバイト
- 引っ越しのアルバイト
- 短期派遣のアルバイト
を代表的な例として紹介してきました。
ファッション系の専門学生といっても昼間部と夜間部とでは大きく授業の時間帯も異なりますし、アルバイトに対する考え方や適正にもそれぞれに違いがあります。アルバイトに求める目的・条件をしっかりと定めて、学業やプライベートとも両立が図れるように選択することが大切です。
中でも希望する就職先に重なるケースでは、アパレル販売員などのファッション分野のアルバイトにおいて接客・陳列・販売・商品管理といった一連の業務をバイトで経験できれば、アパレル・ファッション分野における視野も広がるでしょう。社会人になる前に商品を扱い、お客様と直に接することの喜びや難しさを知ることも一つの財産となります。
特にユニクロ・GU・GLOBAL WORK・niko and…・LOWRYS FARM・BEAMS・adidasなどのアパレルブランドは路面店やデパートだけでなくショッピングモール・駅ビルへの出店も多く、多様な店舗展開をしているため求人数が多い傾向にあります。こうしたブランドで採用されると社割で衣服などの商品が手に入ることもあります。条件に合った求人があるかどうか、まずは検索してみましょう。
専門学生時代にどんなバイトを経験するのか。このことは、その後の自分自身の将来像にも少なからず影響を及ぼします。時給の大小だけではなく服飾やファッション関係の道へ進むという本来の目標の達成に役立つかどうかを見据えてアルバイトの時間も上手く活用しましょう。専門学生という忙しい生活の中で、アルバイトを通して思わぬ人脈やアイデアが生まれることもあるかもしれません。