「清掃員のバイト」と聞くと、皆さんはどんなイメージを思い浮かべますか?
多くは、「きつそう」「汚そう」「大変そう」など、ネガティブなイメージが思い浮かばれがちです。
そこで本記事では、清掃員さん達の口コミから、お仕事内容や種類・その特徴などをご紹介していきます。
ネガティブイメージの実態① 「体力面できつい」
●「掃除道具や予備の備品などは台車で運ぶが、意外に重かった」(オフィスビルの清掃)
●「たわしで力いっぱい擦ったり、はしごに登ったり、水を運んだりする。この仕事は体力がある人に向いていると思う」(照明器具の清掃)
●「夏場の浴室掃除は、体力を容赦なく奪う」(スパ施設清掃)
●「オフィス内の引っ越しの時は結構な重労働。ごみが通常の3倍ほど出る。紙や雑誌は集まると本当に重い。非常階段や運搬用のエレベーターを使っていたため、冷房などに当たれず汗だくになった。」(ビル清掃)
ネガティブイメージの実態②「精神的にきつい」
●「チェックアウト後から次のお客様のチェックインまでに、一人でワンフロア(8部屋)の清掃を担当していたためとても忙しかった」(温泉施設清掃)
●「清掃自体は誰でも出来るが意外と人と話す事も多い。ロッカーの場所が分からなくなった人が出た場合、勝手にロッカーを開けられない為、閉店まで待って頂く事になっているが、自分で場所を忘れたにも関わらず、キレてくる人もいる。」(スポーツクラブ及びスパエリアの清掃)
●「掃除して綺麗にしても次の日にはまた元の汚れた状態に戻っていた。加えて壁の卑猥な落書きも精神的にきつかった。」(市場のトイレ清掃)
●「深夜の飲食店の派遣清掃。夜8時会社に集合、高速道路に乗り各地方の飲食店に出向き、閉店後清掃開始。深夜の飲食店では、ありえないほどゴキブリが発生する。店が静かになり誰もいなくなると、どこからともなく湧き出して徘徊し始める。虫が嫌いな方には無理な仕事。昼間飲食店で働いてる人は、うちの店でゴキブリ見た事ないからいないよ?とか言うが、絶対にいる。飲食店は遭遇率100%。それさえ耐えられれば精神的に辛い事はさほどない。」(飲食店清掃)
ネガティブイメージの実態②「トイレや客室が汚い」
●「トイレ掃除が汚くて大変だった。潔癖ではないが、トイレ清掃のたびに具合悪くなった」(老人ホーム清掃)
●「汚い部屋に当たった時。悲惨な状態が数十件に一件ほど。そのままドアを閉めて帰りたくなる」(宿泊施設清掃)
●「利用済みの部屋は、きれいに使って頂いた部屋もあれば激しく散らかっていた部屋もあり、最悪だったのは部屋のベッドから壁までいたる所が汚物まみれにされていた時。」(ビジネスホテル清掃及びベッドメイク)
●「ラブホテルの掃除。いろんな方の性癖が垣間見え、気持ち悪かった。お風呂に汚物があったり、コスプレなのか、王子様お姫様セットがあったり。シーツが血だらけは日常茶飯事。すごい重労働だったので、3が月で5キロ痩せた。」(ブティックホテル清掃)
●「ゴルフ場の一日トイレ掃除は気分が滅入った。5月の暑い日、ゴルフ場は日を遮るものがなく、本当に暑かった。ゴルフ場はとても広く、トイレとトイレの間隔が大きく空いているため、歩いて掃除用具を持って回るのは体力的にきつかった。女性でも男子トイレの掃除をしなければならず、清掃中でも男性がトイレに入ってくるので、かなり嫌だった。しかも掃除中に、利用者からトイレットペーパーが切れていたとクレームを言われた。」(ゴルフ場清掃)
ネガティブイメージの実態④「マナーやモラルの低い利用客」
●「エレベーター近くに設置してある電話機が盗難に遭った。誰が持って行ったかは分からず。バイトしている期間に2件発生した。また、ある部屋を掃除中、デスクの上に小銭が山盛りになって置いてあり、ゴミ箱には手つかずの外国産クッキーが捨ててあった。この事から外国のお客様かなどと思いながらも結局対処法が分からず、ベテランバイトの女性に相談したところ、
「もらっちゃっていいわよ。ご褒美だと思いなさい。」
と言われたが、何となくもらってはいけない気がしてフロントに小銭は置いてきた。」(ビジネスホテル清掃)
●「とにかく外国人観光客の部屋は散らかし度合いが半端ではなく、日本人観光客の部屋の綺麗さが際立ってよく分かった。物が多い方でも、どこかにきちんとまとめてある。小さい頃からの親の躾などはもちろん、学校などでの掃除の時間も意味があったのだなと痛感している。」(リゾートホテル清掃)
●「中国人が来た時は一部屋でゴミ袋一枚使用した。 最悪だったのは壁一面に生クリームがかけてあった。と言うより生クリームを投げた感じ。」(ホテル清掃)
その他の清掃員さんの仕事内容・働き方の特徴
パチンコ屋の夜間清掃
●「仕事は台拭きから始まり、カーペットの掃除機かけ、玉・コイン拾い、トイレ・灰皿の掃除などそれぞれ担当を分けて行う。難易度は高くなく、仕事中はほぼひとりで担当業務にあたる為、会話もなく黙々とこなす。大変な事は、腰を痛めたり、煙草やゴミの臭いがきつかったり、入替で台が通路に置かれると掃除がしにくく、かつ台を倒さないように気を遣う。メンバーは基本的にアルバイトのみ。最初は時間内に終わらせるので精一杯だが、1か月あれば慣れる。あれやってこれやって、と考える必要のない仕事なので楽。」
フードコートの清掃
●「テーブル、床の掃除、ゴミ捨て、ダスターの洗濯が主。土日の昼時から夕方までは300席近くある席が満席になり、お店の回転率を上げるため、お客様の食べ終わった物を清掃員が片付ける事もある。また、ショッピングセンター内のイベントやテナントの場所などを聞かれる事もあるので把握している必要がある。」
スーパー総菜売り場の厨房清掃
●「お惣菜を作る時のフライヤーや鉄板や床の掃除。油がぬるぬるしていて、床が滑る。油が強いので、強い洗剤で床をデッキブラシで擦る。鉄板も鉄板用の洗剤でゴシゴシ擦る。3か月に1回ほど排水溝を掃除するが、悪臭があり、それが一番きつかった。排水溝の中を網で汚れを掬い取るが、なかなか汚れを取り切れない。あとは、ひたすら擦って擦って擦りまくるので疲れる。」
アパート清掃
●「アパート周りの掃除等は、季節や天候に左右される。夏は虫が多く出るので特に大変だった。また、新築の掃除や退去後の掃除等があり、退去後の掃除はしぶとい汚れもあるのでいろんな溶剤を使用する。臭いのきつい溶剤はマスクをしないと喉を痛め、臭いが鼻に残った。雑草を抜く時に虫がいて、アパートの階段の隙間に出来たクモの巣をキレイに取る必要があり、アパートによってはクモの巣が残っているとクレームが来てやり直しになる事も。いろんなアパートを回り、1か月で同じアパートに2回ほど行くが、次行った時にはまた同じくらい生えているうえ、クモの巣もまた同じくらいついてるのでイヤになる事もあった。」
働き方の特徴
「1日2時間」「週1日から可能」など短時間の業務が多いため、掛け持ちしている人が多い。
清掃業務は、宿泊施設の場合、午前中のチェックアウトから午後のチェックインまでの時間帯が清掃の時間になり、商業施設やイベント会場などの場合も、開店前・閉店後をメインに、決まった時間帯に集中的に仕事を行う所が多いのです。
施設により勤務可能な時間帯もさまざまなので、「早朝だけ」「深夜だけ」…と、働きたい人のニーズに合った求人も見つけやすいです。
働く年齢層が広い
清掃員の求人は、短時間勤務や未経験採用も多い事から、10代の学生から70代の高齢者まで幅広い世代が働いています。
その中での出会いがあったり、コミュニケーションが取れるのも、清掃員の仕事の特徴です。休憩時間や終業後に、世代の異なる人と仲間になれたり、業務中もいろいろ教えてもらったりする事が出来ます。
清掃員さん達の喜び
ここまでは清掃員さんのお仕事内容やそのデメリットなどを挙げてきました。とはいえ清掃員さんがいてくれているからこそ、私達はさまざまな施設を清潔な状態で快適に利用する事が出来るのです。
ここでは、清掃員さんたちの喜びやメリットを拾ってみます。
●「優しい先輩が一から丁寧に教えてくれた。閉店後で騒音も少なく、慣れるとあっという間に清掃が終わる。今は退職したが、良き元バイト仲間とは時々食事に行く事も。
ホールにお客様がいる営業中に仕事が入った時は、親切にゴミを手渡ししてくれる人、床にゴミを落とす人など、さまざまなお客様がいるので最初は戸惑ったが、常連のお客様から挨拶してもらえたり、「頑張って」と言われた時は、嬉しかった。」(パチンコ店清掃)
●「全国的に有名な皇室御用達の温泉旅館は、2人1組で客室全て、隅々までの丁寧な清掃をはじめ、テーブルの位置や座椅子、座布団の向き、お客様目線でアメニティ用品の設置や備品の整頓など、細かい所でもバラツキが無いよう厳しく徹底。慣れないうちは細か過ぎて、混乱する時もあったが、きちんと統一されて清掃が完了すると、とてもよい気持ちになる。従業員全員真冬でも汗だくで清掃しているが、この素敵な温泉旅館が、この先もずっと有り続けていてほしい。」(温泉旅館客室清掃)
●「ホテル清掃のバイトはキツくて、嫌々ながらやるものだと思っていたが、先輩がとてもいい人で、丁寧にゴミ出しや浴室の掃除を教えてくれて、そのうちに清掃のコツも掴んでいき、とても楽しくなっている事が分かった。そして身についた清掃のテクニックは普段の生活にも役立てる事も出来て、無駄は絶対にないと思う。」(ホテル清掃)
●「お金を頂いているプロである以上、汚れはもちろん、傷ひとつ付けられないが、綺麗に仕上がった時のお客様のありがとうの一言だけで達成感のある仕事。」(ハウスクリーニング)
おわりに
数多くの口コミから、清掃員のお仕事は、実際にきつく、汚く、大変な事には変わりありませんが、頑張って取り組んだ後の達成感、身に着いた掃除スキルや接客マナー、施設に訪れるお客様や会社の上司・先輩・同僚からの感謝やお褒めの言葉は、何物にも代えがたい貴重な経験の財産として残るでしょう。
清掃員さんなしでは、世界でもトップクラスに清潔できれいな日本のあらゆる施設は成り立たないのです。
ちょっと大げさですが、清掃のお仕事も立派な「ホスピタリティ」(思いやり・心からのおもてなし)と言えますね。