税理士事務所・会計事務所は大学生でバイトできる?仕事内容は?

税理士事務所・会計事務所は大学生でバイトできる?仕事内容は?

税理士事務所・会計事務所は大学生でバイトできる?仕事内容は?

大学生の間に、せっかくなら将来につながるアルバイトがしてみたいと思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
中には既に簿記の資格を持っていたり、将来税理士になりたいと考えている方もいるかと思います。

今回は税理士事務所・会計事務所でのアルバイトについて「未経験の大学生でも働けるの?」「どんな仕事内容なの?」という疑問にお答えしたいと思います。

会計事務所ってどんなところ?税理士事務所とは違うの?

そもそも会計事務所・税理士事務所と違う名称で並列して出てくるので、混乱される方も多いと思います。

結論から申し上げますと、一般的には「会計事務所」と「税理士事務所」は同じですが、正式名称は「税理士事務所」です。

ではなぜ「会計事務所」といわれるのでしょう?
「税理士事務所」という名称だと税務のみ行っていると勘違いされてしまうため、会計に関する幅広い業務ができることを強調するため、あえて「会計事務所」と名乗るのです。

ただし、よく似た名称の「会計士事務所」は会計事務所・税理士事務所とは別物です。
会計事務所・税理士事務所は税理士が設立する事務所で、「会計士事務所」は公認会計士によって設立された事務所です。
公認会計士が所属していない会計事務所・税理士事務所は会計士の監査業務ができません。

とは言うものの、「会計士事務所」と「税理士事務所」の業務内容はほとんど同じです。

どんな仕事内容なの?

会計事務所のアルバイト求人に多く書かれている業務が入力作業です。
さらにアルバイトは正規職員よりも雑務などの総務作業の割合が多くなる傾向にあります。

簿記の資格があると役に立ちますが、会計ソフトの入力方法を覚えれば、未経験でもじゅうぶん活躍できる可能性があります。

以下に主な業務の例を挙げてみます。

  • 記帳代行
  • 証憑整理
  • 税理士補助業務
  • 一般事務・雑務

すこし詳しく見ていきましょう。

記帳代行とは

主に会計ソフトへの数値入力の作業がメインとなります。
「領収書」「請求書」「契約書」など、日々の取引で生じるデータをクライアントに代わって帳簿へ記入する作業を記帳代行と言います。

例えば1か月ごとに行う決算業務である「月次処理」。
会計ソフトを使ってクライアントから預かったデータを仕分けし、正確に入力処理をする作業です。
クライアントはこの月次処理で得られた結果を基に経営判断していくこととなります。

ほかにも給与計算業務、年末調整など、様々な入力作業があります。
簿記の知識があると業務を理解しやすくなりますが、会計ソフトの入力自体は未経験でも可能です。
この入力作業は迅速さと正確さが求められます。

証憑整理とは

書類整理というと簡単な作業に聞こえるかと思います。
しかし、会計事務所で扱う書類は企業の会計や取引の記録を扱う重要な書類です。
この書類を「証憑」と呼びます。

証憑は税制上やクライアントの規定により、7~10年間は適切に保存しなければならないと決められています。

証憑がきちんと整理されていることで、税務調査もスムーズに対応することができ、社内不正の予防にも繋がります。
そのため証憑整理も大切で重要な業務となっています。

税理士補助業務とは

基本的に税務は税理士資格保有者のみが任される業務ですが、場合によりアルバイトスタッフが補助をお願いされることもあるようです。
税理士のサポートの下で行いますが、具体的な業務内容は事務所により異なります。

一般事務・雑務とは

一般事務として電話対応や来客対応、コピー取りの雑務があります。
電話対応や来客対応は基本的なビジネスマナーとなりますので、最低限身に着けておくと将来の役に立つでしょう。

どんな人が向いているの?

どんな人が向いているの?

会計事務所でアルバイトをしたいと思っても、きつい?しんどい?など、不安になるかもしれません。
また、資格もなく未経験であれば、そもそも応募が可能なの?と疑問に思われるでしょう。

未経験であっても最低限パソコン操作ができる能力は必要になりますが、会計事務所は未経験でも応募可能なアルバイトです。

これから資格取得を目標にしていたり、もうすでに勉強中の方、卒業後に税理士の道へ進みたい方には多くの経験が得られる貴重な環境です。

もちろん、完全未経験であれば難しいと感じることもあると思います。
しかし意欲的に学んでコツコツ努力していける方にとっては、面白味ややりがいを感じる仕事であると言えます。

ではどんな人が会計事務所のアルバイトに向いているのでしょう?
向いているのは以下のような人物像だと推測します。

  • 細かい作業が得意
  • 責任感があり素直である
  • ルーティーンワークに抵抗がない
  • きちんと質問できる

それぞれどんな人が想像できるか見ていきましょう。

細かい作業が得意

会計事務所での主な仕事は入力作業です。
数字の入力作業は細かく、ミスを起こさない注意力や集中力が必要です。
さらに繁忙期などは迅速な対応力と正確さも求められます。

責任感があり素直である

大切なお金の情報を多く扱うのでかなり神経を使い、責任感を必要とする場面が多く生じます。
少しでもミスが生じると大きな損害になりかねません。

正確であることはもちろん重要ですが、慣れないうちはどこかでミスが生じてしまうものです。
大切なことはミスをしないことではなく、ミスを隠さず正直に報告できる素直さです。

ルーティンワークに抵抗がない

会計事務所の主な業務はほぼルーティンワークです。
柔軟な対応力が求められる一方で、会計のルールの中で同じことを繰り返す作業が多くなります。
一見すると地味な作業と思われる方もいるでしょう。
しかし1年ほど経験を積むとスムーズにこなせるようになり、やりがいを感じる業務でもあります。

きちんと質問できる

わからないことを放置すると効率が落ちて仕事にかかる時間が余計に増えたり、ミスが多くなりがちです。
わからないことがあったときに、遠慮せずにきちんと質問できるコミュニケーション能力も責任感につながる要素です。

働くことで得られるメリットは?

会計事務所のアルバイトで得られるメリットは以下のような点が挙げられます。

  • 資格取得のための勉強・経験になる。
  • 実際に間近で税理士・会計士の働き方を見ることができる。
  • 会計ソフトに触れることができる。
  • 電話対応の仕事があれば、ビジネスマナーが身につく。
  • 自分自身への税金対策にも役立つ。

とくに将来に役立てたいと考えている方はメリットが多い職場であると言えそうです。
実際に働いている人を見ることで実務のイメージができ、将来のモチベーションにつながりそうですね。

デメリットはあるの?

逆に働くことによるデメリットはあるのでしょうか。
以下の点が考えられます。

  • 会計ソフトに慣れるまで覚えることが多い。
  • 住んでいる地域によっては求人がない可能性がある。
  • 資格を所有していても、実務とのギャップに戸惑うことがある。
  • 繁忙期は忙しく休みが取りづらい場合がある。

これはどのアルバイトでも言えることですが、始めは困難や戸惑いが生じるもの。
デメリットと思えることもひとつひとつ冷静に対処すれば、良い社会経験として得られるものがあるのではないでしょうか。

働く条件について

働く条件について

働きたいけど忙しくて時給が低ければ損をした気持ちになりますよね。
「失敗した」「辞めたい」と思わないためにも、条件の確認は大切です。

自分に合った環境で働くためにも、会計事務所の勤務時間や繁忙期、時給について確認しましょう。

勤務時間について

会計事務所・税理士事務所のアルバイトにおけるシフトの平均日数は週3〜5日、平均勤務時間は4〜7時間となっています。

その他の一般的なアルバイトよりシフトに入る日数は比較的多めである傾向です。

求人によっては1日3時間、週2日からという募集もありますが、希望する出勤日数が少なすぎると採用は難しいかもしれません。

また、会計事務所は基本的に土日休みの場合が多いです。
休日も働きたい場合は掛け持ちなども検討する必要があります。

忙しい時期は?繁忙期について

一般的に、会計事務所の繁忙期は12月〜3月とされています。
この期間は休みが取りづらい可能性があるので注意が必要です。
試験や学校行事など、シフトに配慮してもらえるか面接で確認するようにしましょう。

学業優先で配慮してくれる事務所も多くあります。
事前にスケジュールを共有し、早めに対応してもらうと良いかもしれません。

平均時給について

会計事務所の2025年時点での平均時給は1,185円とされています。
(求人ボックス給料ナビより引用)

資格や経験の有無・住む場所によって大きく金額は変わります。
さらに平均時給も年々上昇傾向にあるので、あくまでも目安として考えるのが良さそうです。

都内の会計事務所のアルバイトは時給1200円以上の求人も多く見られます。
その他の一般的なアルバイトの時給平均と比較すると、会計事務所のアルバイトの時給は若干高い傾向にあります。

しかし、会計事務所のアルバイトよりも高い時給のアルバイトは他にもあります。
時給で考えるより、何を得たいか、将来に役立つのか、という視点で応募を検討するのが良さそうですね。

求人が少ない?

会計事務所のアルバイトはそもそも求人が少ない分野です。
特に都市部に集中して事務所があるため、求人にムラがあるのが事実です。

逆を言うと、応募できるチャンスがあればチャレンジする価値があるといえますね。

面接の服装は?

求人に応募し、いざ面接!となった時、どんな服装が良いの?と少し悩みますよね。

会計事務所では基本的にオフィスカジュアルを着用します。
学生であれば清潔感を重視したきれいめな服装を意識しましょう。

下記のポイントを参考にしてみて下さい。

トップス
  • 基本的には無地でシンプルに
  • 襟付きのシャツはきちんとして見えるのでおすすめ
  • さらにきちんと感をプラスする際はジャケットを
  • ニットを着用する場合はハイゲージがおすすめ
ボトムス
  • テーパードパンツやスラックスが基本
  • スカートであれば膝下丈にする
  • ボリュームが出すぎず広がりすぎないものを
  • スニーカーよりも革靴やパンプスがおすすめ
  • ペタンコが無難ですがヒールの場合は5cm以内に
  • サンダルは避ける

事務所の方針によって服装の雰囲気は異なります。
髪型やネイルも自由なところが増えていますが、採用されてから事務所の雰囲気を見て判断するようにしましょう。
面接時は最低限上記のポイントを意識すると、採用につながりやすくなります。

志望動機はどうする?

簿記の資格を所有していない、未経験でアピールポイントがない、と応募を迷う方も多いと思います。
もちろん基本的には簿記の資格所有者や経験者は優遇されます。

しかし、未経験で資格がなくても、やる気や人柄次第で採用される可能性はじゅうぶんあります。

以下のようなアピールポイントを参考にしてみてください。

  • シフトに入れる日数が多く、やる気がある
  • 現在資格取得の勉強中である
  • 将来税理士になりたいと考えている
  • 応募する事務所の強みが自分に合っている
  • 自宅からの距離が近いのでシフトに柔軟に対応できる

これらも立派な志望動機です。
自信をもって、将来のために一歩踏み出してみましょう。

まとめ

まとめ

税務の知識はほとんどの企業で必要とされるスキルです。
会計事務所でのアルバイトはきっと将来に役立つことでしょう。
さらに、事務所の環境によってモチベーションが上がったり、将来や学業へのアドバイスをもらえるかもしれません。

簿記の資格があれば有利ですが、未経験でも採用されるチャンスはあります。

将来の夢に近づくため、資格取得に向けて勉強するため、これから頑張ろうと考えている方にはぜひチャレンジしてほしいアルバイトです。

この記事で会計事務所のアルバイトを検討している皆様の後押しができていたら幸いです!