大学生になったらバイトをしたいと考える人は多いですが、獣医学部・獣医学科に通う学生はバイトができるのでしょうか。獣医学生は忙しくバイトはできないのでしょうか。獣医学生の体験談をもとに解説していきます。
獣医学生はバイトができない?
獣医師を目指して、獣医の勉強ができる大学に進学を考えている人や、獣医学部・獣医学科に進学が決まっている人に多い悩みや不安のひとつが「獣医学部はアルバイトができるのか」「獣医学生はバイトができないのでは?」ということですよね。
結論から言うと、獣医学生でもアルバイトはできます。しかし、勉強が難しく実習や研究室で忙しいため、バイト選びやバイトをする時期等を工夫しないと難しいようです。獣医学生には勉強やサークルに打ち込むためバイトをしない人や、途中で辞める人も多数います。一方で、獣医学生でも工夫してバイトをしている人もいます。
筆者は獣医学部のある大学に通っていました。動物病院で働いていた経験もあるので、獣医学部・獣医学科の学生との関わりが多くありました。実際に獣医学生たちは以下のようなバイトをしていました。
- 家庭教師・塾講師
- 飲食店・コンビニ店員
- 動物病院スタッフ
- 短期のアルバイト
他にも学内バイトや農場でのバイトなど、特殊なバイト・獣医学生ならではのバイトもあります。
獣医学部は忙しい、勉強が大変といったイメージがあります。しかし、獣医学生でも、バイトを全くしたことがないという人のほうが少ないようです。
獣医学部・獣医学科は学費が高額、キャンパスの移動があり一人暮らしをする、といった事情から、バイトで少しでも自分で費用を稼ぎたいと考える人も多くいます。また、せっかくの大学生活ですから、学校の勉強以外も楽しみたいですよね。
なぜ獣医学部は忙しくバイトができないと言われるのか、バイトをしている獣医学生はどのように勉強やサークル等の大学生活と両立しているのかを、体験談をもとに解説します。
獣医学生がバイトするのは大変!勉強と両立には工夫が必要
獣医学生もアルバイトはできます。しかし、獣医学部は実習や試験が多く、研究室にも所属するため忙しいです。獣医学生がバイトと勉強を両立するのは大変です。バイトをしてもせっかく合格した獣医学部の勉強がおろそかになってしまっては元も子もありません。経済的に余裕があるならバイトをせず、学生生活に打ち込むのも良いでしょう。高学年では勉強を優先し、バイトを辞める人も多いです。
では、獣医学生がしやすいバイトとはどんなバイトでしょうか。実際に勉強とバイトを両立している獣医学生の体験談から、自分に合ったバイトを見つけ、勉強とバイトを両立する方法を紹介します。
獣医学生がバイトをするならいつ?学生生活はどんな感じ?
獣医学部に入った学生はどのような学生生活を送っていて、いつバイトができるのでしょうか。獣医学生のアルバイト事情を解説します。
まず、獣医学部が忙しいと言われる理由をみてみましょう。
- 勉強が難しい
- 試験やレポート提出が多い
- 3年次以降は専門の実習が多く、終了時間が未定・終わりの時間が読めない
- 研究室に入ると当番やゼミ、研究があり時間の確保が難しくなる
やはり獣医学生は、勉強・試験・レポートで忙しくバイトの時間が確保しにくいようです。高学年になると、実習や研究室で時間が読めないこともバイトをするのが難しい理由です。
実際に獣医学生からは「2年生の後期からは忙しくなりバイトを辞めてしまった」「午後の授業はほとんど実習で、終わるのは16~17時頃。もっと遅くなる実習もある」「毎日決まった時間研究室にいなければならず、バイトをしている暇はなかった」という声がありました。
一方で「要領よくバイトを続けている人もいた」という声もありました。筆者の周りの獣医学生にも、高学年になってから時間は減らして、バイト自体は長く続けている人がいました。勤務先の動物病院にバイトに来ていた獣医学生にも、卒業間際まで働いている人がいました。
獣医学生のアルバイト事情
- バイトを始めるなら1~2年生
- 生活費や学費として、たくさん稼ぐのは難しい
- 忙しさは研究室にも左右される
獣医学生がアルバイトをするなら、1~2年生のうちに始めるのがおすすめです。バイトは早めに始めて自分に合ったバイトを見つけることが大切です。高学年ではたくさん稼ぐのは難しく、辞めてしまう人も多いようです。
また、バイトは初めは覚えることが多く、「週〇日以上」「〇時間以上」と決まっていても、長く勤めていると覚えることが減り、バイト先も融通を利かせてくれることがあります。
忙しさは所属する研究室によっても変わります。あえて忙しくない研究室を選ぶという方もいるようですが、せっかく大学に通っているなら勉強はしっかりしたいですね。また、所属した研究室によって就職先が左右されることもあります。研究室はバイトに左右されずに選んだほうが良いでしょう。
獣医学生がしやすいバイトとは?勉強と両立するには
実際に獣医学生がしやすいバイトはどんなバイトなのでしょうか。勉強やサークルなどの大学生活を両立することはできるでしょうか。
バイト選びのポイント
- シフトや時間に融通がきく
- 短時間で時給が高い
- 大学からすぐ行ける
- 夏休みや年末年始など短期
やはり獣医学部は勉強で忙しく、バイトのための決まった時間の確保が難しいです。短時間からOKのバイトや、実習が遅くまでかかっても支障ないバイトを探す必要があります。夏休みや年末年始など、まとまった時間を確実に確保できるときに、短期間のバイトをするという方法もあります。
また、どんな仕事にも言えますが、職場によって環境はまちまちです。働きにくい・都合が悪いと感じたら同じような仕事でも違うバイト先を探すのもポイントです。
立地も重要なポイント!?
獣医学生のバイト事情として、学校のスケジュール以外にも立地が重要なポイントです。獣医学生は忙しく時間が不規則になりがちです。バイトの選択肢が少なかったり、移動に時間がかかったりするとバイトをするのが難しくなります。
獣医学部や獣医学科のある農学部では、自然豊かな場所にキャンパスがある大学もあります。田舎のほうでは希望のバイト先を見つけづらいです。都心から離れたキャンパスに通うなら、短期間のバイトや、学内や農場などの特殊なバイトを探すことになります。一方で、「アウトドアに適した立地だからこそ、短期間のスキー場のバイトができた」という声もありました。
地方でも、札幌など大都市圏にキャンパスがあればバイト先は多くなります。都心でも交通の便が悪い場所にキャンパスがある大学では、移動時間がかかりバイトの時間を確保しにくいです。
学年があがるとキャンパスの移動がある場合は同じバイトを続けられません。
実際に獣医学生がしているバイトとは
獣医学生たちは実際にどんなバイトをどのようにしているのか、それぞれ解説していきます。
家庭教師・塾講師
獣医学生に人気のバイトが家庭教師・塾講師です。偏差値が高い獣医学部・獣医学科に入る人たちは、受験勉強を頑張って乗り越えた人たちです。これまでに勉強したことを活かせるのが、家庭教師や塾講師などのアルバイトです。実際にバイトの面接に行き「獣医学部だと言ったらすぐ受かってバイトができた」と言っている人もいました。
塾講師は短時間で高時給なことが多く稼ぎやすいようです。家庭教師なら、相手先によっては時間の融通もききます。獣医学生限定の仕事ではないですが、勉強の得意な獣医学生ならではのバイトといえるでしょう。
家庭教師・塾講師のバイトのメリットとして、実際にバイトをした人からは「自分も勉強することになり、知識が衰えるのを防ぐことができた」「塾講師はコマ単位のため短時間で働きやすい。時給も良くて稼げる」「家庭教師は相手先によっては私服で良いので楽」「家庭教師は主に隣で座って見ているので楽」という声がありました。
家庭教師・塾講師のバイトのデメリットとして、実際にバイトをした人からは「学校で勉強をし、バイトでも頭を使うので疲れる」「塾講師はコマ単位のため長時間働くことができない」「勉強を教えるために予習が必要で、予習時間を入れると時給が低い」「受験生の担当になるとプレッシャーがある」といった声がありました。
飲食店・コンビニ店員
大学生のバイトと言えば、飲食店・コンビニ店員がよくイメージされますね。バイトできる飲食店にはファミレス・ファストフード店・居酒屋・カフェなどがあります。一般的な大学生に人気なバイトですが、獣医学生でも飲食店・コンビニスタッフのバイトをする人がいます。
飲食店やコンビニ店員のバイトのメリットとして、実際にバイトをした人からは「接客技術を学んで身に着けられる」「違う環境の友達ができる」「まかないのある飲食店では食費を抑えて良い食事を摂ることができる」「コンビニは早朝も深夜も開いているので1日中いつでも働くことができる」「深夜のシフトは時給が高い」「シフトの提出が1~2週間前のところもあり、調整しやすい」「経験年数が長くなると、融通が利く。短時間や少ない日数でも働けるようになる」「コンビニは同じことの繰り返しで頭を使わなくて済む」などの声がありました。
飲食店やコンビニ店員のバイトのメリットとして、実際にバイトをした人からは「飲食店は忙しく疲れる」「嫌なお客さんもいる」「賃金が安い」「仕事量が多い」といった声がありました。
しかし、高学年ではシフトに多く入ることは難しくなり、続けていても学年があがるにつれバイト時間を短くしている人が多かったです。「飲食店のアルバイトは、チェーン店は忙しく、店長も会社に雇われているため自由が効かない」「個人経営の飲食店のバイトがおすすめ。融通をきかせてくれる店主のお店を選ぶ」という話もありました。
動物病院スタッフ
実は、スタッフをアルバイトで募集している動物病院は多くあります。動物病院の獣医さんを目指す獣医学部生には人気のバイトです。獣医関係以外の学生アルバイトを募集している動物病院はまずないので、獣医学部に通う学生ならではのバイトと言えます。
もちろん採血や手術など資格が必要な作業は行えませんが、動物の保定や世話、薬の準備、検査などの業務は行うことができます。受付や診察の時に飼い主さんと接する機会もあり、接客技術も身に付きます。動物病院のアルバイトでは獣医師として働く時に重要なスキルを学べます。獣医師は元は獣医学生だったので、大学の事情に理解があり融通を利かせてくれます。実際に筆者が勤めていた動物病院でも獣医学生のアルバイトを複数人雇っており、卒業間際まで働いている人もいました。
実際に動物病院でバイトをした獣医学生からは「先生に勉強でわからないことを教えてもらった」「獣医師の仕事や知識について、先生にきくことができた」「獣医師とのコネクションができた」「動物病院は個人経営が多く、仕事内容や労働条件が病院により大きく違う」といった声がありました。動物病院は地域によってはたくさんあるので、自分にあった病院を探せると良いですね。
また、動物病院でバイトをする獣医学生からは、「将来動物病院で働きたいので、自分に向いているか前もって体験したい」「将来動物病院以外の職場を考えているので、学生のうちに体験したい」という意見がありました。一方で、獣医学生のなかには、「将来動物病院で働いたら動物病院の仕事は経験できるので、バイトではまったく違う仕事がしたい」という人もいました。
その他短期バイト・特殊なバイト
獣医学生がするバイトで多いのが短期のアルバイトです。
「飲食店で、夏休みだけのバイトがあり、1~2週間程度で働けた」「キャンパスが自然豊かでアウトドアに適した土地にあるので、リゾートやスキー場などの短期バイトがある」「単発の試験官バイトをしていた」「年末年始に神社のバイトがあった。神社のバイトは学校が休みの期間に数日単位で出勤できてよかった」「お花屋さんで母の日周辺のみバイトをしていた」という獣医学生からの声がありました。
その他「農場、競馬場、動物園など獣医学生だからこそできる特殊なアルバイトをしていた」という体験談もありました。他の学部の学生はやりたくてもできない仕事を経験できるのは魅力的ですね。また、学内でもアルバイトの募集があります。学内アルバイトは多くはありませんが、オープンキャンパスのスタッフ、図書館受付、生協スタッフなどがあるようです。学内バイトは学内でできるため、移動時間がかからずおすすめです。
バイトと両立して学生生活を楽しもう!
獣医学部・獣医学科に通う獣医学生でも、工夫次第ではアルバイトができることがわかりました。しかし、高学年になると学校が忙しくバイトを辞める人も多くいました。
獣医学生のアルバイト事情をまとめると、
- バイトを始めるなら1~2年生のうちが良い
- 3年次以降はたくさん稼ぐのは難しい
- 短時間・高時給のバイトや時間に融通が利くバイトを探す
- 忙しくても短期間のバイトができる
- バイトができるかやバイトの種類はキャンパスの立地にも左右される
ということでした。
長く続けたりたくさん稼いだりするには工夫や努力が必要ですが、1~2年生では様々なバイトを勉強やサークルと両立して学生生活を楽しんでいる人が多くいます。特別な環境の獣医学生だからこそできるバイトに取り組むのも良いですね。ぜひ、バイトも学校も楽しめる良いキャンパスライフを送ってください。