警備員というお仕事には、人や車の行き来を整備する雑踏・交通誘導警備員や、貴重品の運搬を警護する運送警護員、そしていわゆるボディーガードを行う身辺警護員などがあります。
そうした中で、施設警備員はバイトの求人も多く面接も簡単。そして何より楽だという噂を耳にしたことはないでしょうか?
モニターの前で座って、ボーっとしているだけ。時にはスマホをいじったりして、お給料をもらえる…
不真面目かもしれませんが、そんなお仕事があったら羨ましいですよね。
そこで今回は実際に施設警備員は楽なお仕事なのか、そして未経験でもなれるのかなどについて、徹底的に調査してみました!
興味はあるけど実際はどうなんだろう…と思っていた方は、ぜひご覧になってくださいね。
施設警備員とは?普通の警備員との違いって何?
そもそも施設警備員と、他の警備員の違いとは何でしょうか。
まずはそこから解説していきましょう。
『施設』の安全を守るのがお仕事
人や貴重品、車の流れなどを守る警備員と違い、施設警備員はその名の通り施設の安全を守るお仕事です。
何らかのイベントや休日・祝日など、状況に合わせて仕事をするのではなく、施設警備員は一年中需要があり、安定した仕事と言えるでしょう。
働く場所は多く、異動は少ない
施設警備員が求められる場所は数多くあります。
商業施設・オフィスビル・大学などの教育施設・図書館・病院・空港・工場など…
需要が高いため、その分求人数も多くなっています。
また一方で、一度決まった施設からの移動はあまり行われないケースが多いのも特徴です。
イベントや交通警備員は、仕事の特性上よく働く現場が変化します。
一方で施設警備員は、『施設』という動かないものを一年中見守るのが仕事なので、基本的には常に同じところで勤務することになります。
研修はちゃんとある
「いきなり警備員になれるの?」という疑問をお持ちの方にお伝えすると、入ってすぐに警備員にはなれません。
警備員の業務は、『警備業法』という法律で厳しく規定されており、新人の警備員は実際の現場で働く前に、20時間の法定研修を受ける必要があるのです。
法廷研修の内容は以下のようなものです。
- 警備員法や関連法令の理解
- 警備業務の基本的な知識
- 応急処置法や消火設備の操作方法
- 交通整理等の業務に関する知識
- 犯罪防止のための取り組み
- 実技研修
こうした中で、警備員として働く上で必要な基礎的な法令知識や心構え、道具の使い方やちょっとしたかけ声、ランニングなどの研修を受けます。
その後、担当する警備の種類によって異なる、より専門的な研修を受けます。
施設警備員の場合は『1号業務』という扱いになり、巡礼や監視のやり方について学びます。
このように警備員になるためには専門の研修を受ける必要があります。
ですので「ちょっとだけ稼ぎたいから単発の警備員の仕事がしたい」というのは、不可能な場合が多いことを知っておきましょう。
施設警備員の仕事内容
では、具体的な施設警備員の仕事内容についてみていきましょう。
働く場所によっても多少業務内容に差異はありますが、おおよそすべての施設で行われる業務についてまとめてあります。
監視・立哨・巡回
警備員バイトの大半を占める業務です。
監視・立哨・巡回ともに建物内部を見て、不審人物や怪しいものがないかを確認する仕事ですが、施設警備員の場合は『防災センター』などの、館内にある防犯カメラをまとめてモニターしている部屋があることが多く、そうした場合は監視として、座って仕事をすることができます。
立哨はその名の通り、指定されたポイントに立って監視をすること、巡回は施設内を歩き回って監視をすることです。
防犯カメラが設置されている施設でも、こうした業務はある場合がほとんどです。
しかし全体的に見れば、監視カメラのモニターを見ていることのほうが多いでしょう。
鍵の開閉
工事の関係者や清掃業者など、外部の業者が入るときに鍵を開け閉めするといった業務もあります。
巡回の際に、鍵のかかった部屋をチェックしたりといった事もします。
業務としては単純ですが、うっかりミスをすると一気に信用を失ってしまう大事なお仕事です。
電話対応・人の出入りの記録など
電話対応と言っても、内容は業者がいつ来るかなどの連絡だったり、何かの確認などの電話が大半です。
施設に訪れるお客様からの電話を受け取ったりといったことはまずないです。
出入りの記録もあくまで業者に関してです。名前や所属を聞いて、リストアップしていくといった仕事が主でしょう。
施設警備員のメリット・楽なところ
では本題の、施設警備員は実際のところ楽なのかについて解説していきます。
イベントや交通整理の警備員と比べてどうなのか、についても詳しく見ていきましょう。
座り仕事が多い
警備員バイトで「キツい」とよく言われるのが、ずっと立っていなくてはいけないことです。
イベントなどでは1日に5時間以上、現場によっては8時間以上も立ちっぱなしという事があります。
もちろん途中で休憩などはありますが、体力的にキツいと感じる人が多い点です。
しかし、施設警備員は監視カメラのモニターを見るだけでいいという場合が多く、座ったまま仕事ができます。
そのため体力に自信がない女性やお年寄りも、問題なく勤めることができるでしょう。
お客様や施設の利用者の目につかない場所で仕事ができるので、緊張することなく仕事ができるのもいい点です。
人と関わらなくていい・危険な目に合いにくい
イベントや交通整理などでは、お客様を誘導したり、指示に従ってもらえるようにお願いをする場面があります。
時には怒りをぶつけられることもあり、そうした点も「キツい」と言われる事が多いです。
しかし施設警備員は基本的にお客様に話しかけるといったことは少なく、あくまで警備に集中することができます。
他人と関わるのがあまり好きじゃない、接客めいたことはしたくないという方には、大きなメリットになるでしょう。
また、比較的危険な目に合いにくいというのもメリットです。
イベント会場や交通整理などに比べて、施設内で危険なことが起こる可能性はかなり低く、警備員としてそうした場面に対処しなくてはいけないといった事も、はっきりいって稀でしょう。
イベント会場はちょっと怖い、交通整備は車に轢かれそう…そんな不安を持っている方は、施設警備員なら安心して仕事ができるかもしれません。
天候に左右されない
これは施設にもよりますが、大体の場合は施設警備員の仕事は屋内で行われます。
雨や雪が降った場合、屋外での仕事はとても大変なものになりますが、そうした心配がないのも施設警備員の良い点です。
資格がなかったり未経験でも採用されやすい
メリットの多い施設警備員ですが、何かの資格や経験がないとバイトとして採用されにくいのでしょうか?
一般的に警備員は非常に採用されやすい職種とされ、未経験でも受け入れてくれる企業が多いといわれています。
施設警備員もまた、その噂通りに採用されやすい職業です。多くの企業が資格や経験を問わずに、求職者を募っています。
合格率はイベント・交通整理警備員よりは若干下がるようですが、それでもかなり就職しやすい業界と言えます。
現場によっては内職もできる
これはあまり推奨はしませんが、実際のところ勤務時間中にある程度の内職が黙認されている現場というものも、それなりに存在するようです。
警備員の仕事で最もよく言われるのが、「暇すぎてつらい」というもの。
ひたすら監視するだけというのは、時間の流れも遅く感じ、精神的にキツく感じる人も多いです。
そのため一部の施設では、時間つぶしのために本を読んだり、勉強している人がいるという事も…
とはいえ基本はそうした緩い現場は少ないですし、仮になんとなく許されていてもある時急に咎められてしまう…といったこともありますので、期待せずにしっかりと業務にあたりましょう。
施設警備員のキツイところ
いろいろと楽そうな施設警備員ですが、逆にキツいところとはどんなものがあるでしょうか。
様々な声をもとに、そちらもまとめてみました。
時間拘束が長く、夜勤もある
基本的に警備員の仕事全般がそうですが、時間拘束は長めです。
施設警備員は夜の見回りといった業務もありますので、1日3交代制を敷いているところも多く、夜勤とは切っても切り離せません。
1日8時間以上の長時間勤務と夜勤が交互になるシフトになると、生活リズムが壊れがちになってしまうでしょう。
暇な時間が長い
よく言われることとして、警備員は『暇疲れ』します。
危ないことが起きたときに対応するのが、本来の警備員の役目ですが、現代日本でそうした事態は基本的に稀です。
勤務時間の多くが監視、あるいは待機時間となりますので、やることがないまま時間が過ぎるのを待つしかないといった事がよくあります。
そうしたシチュエーションに苦痛を感じる人ですと、キツいと感じてしまう事でしょう。
短期や単発の仕事があまりない
研修が必須であること、また施設ごとの安全管理の観点から、施設警備員で短期や単発の求人があることはあまりありません。
基本的には長く、1つの施設で警備員として働いてくれることを求められていますので、夏休みなどにちょっと稼ぎたいという方にはあまり向いていません。
そうした場合は工事現場の夜勤警備員などでしたら、短期・単発の求人もあるかもしれません。
まとめ
今回は施設警備員のバイトが本当に楽なのか?について解説しました。
実際に施設警備員は他の警備員に比べてメリットが多く、楽と感じる人も多い魅力的な職業です。
女性やお年寄りでも活躍している人が多く、また働ける場所も幅が広いので、今後業界として常に需要は高いままだと推察できます。
定年を迎えてからビルの施設警備員を始めたというサラリーマンの方も増えてきており、将来的には倍率が高くなってしまうかもしれません。
興味のある方は今のうちに是非、求人などを確認してみてくださいね。