失業手当(失業保険)だけではお金が足りず精神的にも不安がある。でも失業保険受給中は働いて収入を得てはいけないと思っていませんか?
実は失業保険を受給しながらアルバイト等で収入を得ることは可能です。ただし認められるためには一定の条件があります。
この記事では失業保険の受給中に働く場合の注意点やアルバイトの探し方などを徹底解説します。
失業保険受給中に働ける?
失業中はアルバイトが可能な期間と不可能な期間があります。
大きくは以下の3つの期間に分類されます。
- 待機期間
- 給付制限期間
- 失業保険受給期間
また、アルバイトをした場合はハローワークへ必ず申告するようにしましょう。3つの期間とハローワークへの申告について詳しく説明します。
待機期間中
ハローワークに求職申し込みをしてから7日間は待機期間となり、失業状態であることが必要です。そのため1日4時間以上のアルバイト等をすることはできません。もし働いてしまった場合は、働いた日は待機期間としてカウントせず、日数分待機期間が先送り(繰り越し)されます。ただし1日4時間未満、週20時間の場合は先送りはされませんが、後述する1日当たりの上限金額を超えないように注意が必要です。
給付制限期間中
自己都合退職の場合、7日間の待機期間が終了すると2か月間の給付制限期間に入ります。ただし、5年間のうち3回目の場合や懲戒解雇など自己に重大な責任がある場合は3か月となります。
給付制限期間中は週20時間未満であればアルバイトが可能です。収入金額の上限はありませんが、契約期間が失業手当受給期間にかからないように注意が必要です。
なお、妊娠・介護・病気などの正当な理由による退職(特定理由離職者)の場合は、給付制限期間はありません。
失業保険受給中
失業保険受給中もアルバイトをすることが可能です。ただし、雇用保険の加入条件である契約期間が31日以上かつ週20時間以上の労働に該当しないように注意が必要です。雇用保険の加入条件を満たす働き方をしてしまうと、受給資格を失います。
また、後述する日当たりの上限金額を超えると失業保険が不支給になるので要注意です。
ハローワークへの申告
アルバイト等をした場合はハローワークへの申告が必要です。4週間に1回のペースで提出する「失業認定申告書」に働いた日と労働時間を併せて記入しましょう。1日あたりの労働時間が4時間未満の場合は後述する内職に該当するため、働いた日に×印をつけます。4時間以上の場合は後述する就労に該当するため、働いた日に〇印をつけます。
アルバイトを申告せず、そのことが後から発覚した場合は不正受給とみなされます。受給した手当の変換だけではなく、3倍の金額を納めなければなりません。そして不正な行為があった日から手当が支給停止になります。必ず申告しましょう。
失業保険の減額で損しない方法
失業保険はアルバイトをした場合、1日の労働時間によって受給額が変わったり、不支給(先送り)になることもあるため、注意が必要です。1日の労働時間が4時間を超えるかどうかが分岐点になり、扱いが変わります。以下の2つのパターンに分けて説明します。
- 1日4時間未満(内職)
- 1日4時間以上(就労)
1日あたり4時間未満の場合
引用元:ハローワークインターネットサービス 雇用保険手続きのご案内
1日あたりの労働が4時間未満の場合は内職の扱いになります。1日あたりの収入金額によっては失業保険が減額あるいは不支給になる可能性があります。
次の計算式で計算します。計算式では雇用保険受給資格者証の基本手当日額(青枠)と離職時賃金日額(赤枠)を使用します。
1+2(基本手当日額+1日あたりの収入から控除額を引いた額)が3(賃金日額の80%)を超えると失業保険が減額されます。
2(1日あたりの収入から控除額を引いた額)が3(賃金日額の80%)を超えてしまうと、その日の失業保険は不支給になります。
1日当たり4時間未満の労働を行う場合は、減額を防ぐには時給が低めのアルバイトにする等の注意が必要です。
控除額は毎年8月1日に変更されるので、その点も注意して下さい。2023年(令和5年)8月1日以降の控除額は1331円です。
- 基本手当金額
- 1日あたりの収入(収入-1331(控除額))
- 賃金日額×0.8
1日あたり4時間以上の場合
1日あたりの労働が4時間以上の場合は就労の扱いになります。失業保険は1日あたりの収入金額に関係なく先送り(繰り越し)になります。不支給になるわけではありませんが、失業保険の受給期間を超えてしまうと、支給できなくなってしまうので注意が必要です。
失業保険の受給期間は原則として離職日の翌日から1年間(短期雇用特例被保険者は、離職日の翌日から6か月間)です。
したがって、なるべく減額されずに失業保険と収入を得るためには、時給が高く4時間未満で減額されてしまうようなアルバイトの場合は1日4時間以上働いて失業保険の支給を先送りし、時給が低いアルバイトの場合には1日4時間未満に抑えることがポイントです。
失業保険受給中におすすめのアルバイトとは
失業保険受給中は前述のとおり、働く際は、雇用保険の加入条件である契約期間が31日以上かつ週20時間以上にならないよう注意する必要があります。そのため、契約期間が短いものや自分で1日の労働時間をある程度コントロール可能な働き方ができるものがおすすめです。
おすすめの働き方やアルバイトの探し方を具体的に紹介します。
短期や単発のアルバイト
短期や単発のアルバイトがおすすめです。例えば以下のような求人情報サイトで見つけることができます。
また、スキマ時間に働きたい人はタイミーやシェアフル等のアプリもおすすめです。すぐに働くことができ、すぐにお金をもらうことができます。
短期や単発のアルバイトは例えば、以下のような仕事があります。
- 試験監督
- イベントスタッフ
- 試飲試食販売
- 工場等での軽作業
- データ入力
- Uber Eats等の配達パートナー
- リゾートバイト
自分の特技や好みに合わせて仕事を選びましょう。
クラウドソーシング
時間と場所を選ばず、作業時間を自分でコントロールしやすいクラウドーソーシングもおすすめです。
クラウドソーシングとは企業や個人がインターネットを介して不特定多数の人に業務を依頼する業務形態です。特別なスキルがなくてもパソコンやスマホ上でできる簡単な作業などの仕事がたくさんあり、気軽に始めることができます。
有名なクラウドソーシングサイトをご紹介します。
時間や案件単位で自分で金額を設定し、自分の得意なスキルや趣味を活かして仕事をすることができます。例えば以下のような仕事があります。
- データ入力
- ライティング
- 漫画・イラスト
- プログラミング
- 占い
- Webサイト制作
- デザイン
前から気になっていた仕事にチャレンジするのも一手です。ハローワークへの申告が必要であるため、作業時間を必ず控えましょう。
まとめ
- 失業手当(失業保険)を受給中でもアルバイトはできる
- 失業保険受給中のアルバイトは契約期間が31日以上かつ週20時間以上に該当しないよう気をつける
- 働いた場合は必ずハローワークに申告する
- 1日あたりの収入金額の上限があるので注意する
- アルバイトは短期・単発やクラウドソーシングで探す
失業手当受給中はルールを守って働くことでお金の心配が減り、精神的にも安定します。手当が減額されないよううまく働く日数や時間を調整しましょう。アルバイトのしすぎで求職活動に支障が出ないよう注意が必要です。
短期・単発のアルバイトやクラウドソーシングで自分のスキルを磨いたり、新しいことに挑戦することもおすすめです。