自動車免許を持ってさえいればできる手軽さと、夜間に行える運転代行は、学生のバイトや社会人の副業に人気があります。一方、事故のリスクや酔っ払い客の相手など、きつく、ブラックなイメージがある運転代行について、本当のところはどうなのかを徹底的に調査しました。
最初に、運転代行とはどのような仕事なのかを詳しく解説していきます。そして、多くの体験談や口コミ、評判の内容を確認し、リアルに上がっている意見を取りまとめましたので、ご紹介させて頂きます。
運転代行に興味を持っている方、これから運転代行のバイトや副業を始めたいと思っている方にとって、有益な情報が盛り沢山ですので、是非チェックして見て下さい。
運転代行とは
運転代行とは、飲酒されたお客様や、体調不良などで車を運転ができなくなったお客様の代わりに、お客様の車を運転して指定場所まで送り届けるサービスです。お客様とお客様の車の両方を指定場所まで送り届けます。
運転代行は、他に代行、代行運転、代行サービスと呼ばれることがあります。
仕事内容
代行運転は、二人一組で行うことが義務化されています。
始めに、お客様に指定された場所(居酒屋など)に、二人一緒に会社の車で向かいます。指定場所に到着したら、二人の内の一名が、お客様を乗せてお客様の車(客車)を運転し、他の一名が会社の車(随伴車)を運転して客車の後ろを付いて行きます。お客様とお客様の車を目的地に送り届けたら、二人は会社の車で帰社し、次の依頼が来るまで待機します。
客車を運転するには、普通自動車第二種運転免許(以下、二種免許)が必要になるため、運転する車は保有している免許種別により決まります。
勤務時間
PM 7:00~AM 2:00(最大AM 5:00)。
開始時間は概ねPM 7:00ですが、終了時間は会社や地域で異なり、繁忙期やそうでない時期によっても変わります。一般的に、週何回以上、一日何時間以上のシフト勤務が組まれ、勤務日数や勤務時間が指定されます。
勤務体制
二人一組で行います。
決まったパートナーではなく、その日勤務シフトに入っている者同士がランダムに組まれます。二人の内一人は、二種免許保持者です。
一日の仕事の流れ
PM 7:00 | 集合 |
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PM 7:00 ~ | ミーティング→パートナーや客車、随伴車の割り当て。 |
使用する会社の車(随伴車)の点検。 | |
随伴車を満タンに給油。 | |
仕事の依頼があるまで会社で待機。 | |
仕事の依頼が来たら、随伴車で移動し、運転代行を行う。 運転代行終了後、会社に戻り、再び依頼があるまで待機。 | |
AM 2:00(終了時間変動あり) | 業務終了 |
勤務条件
普通自動車第一種運転免許(以下、一種免許)は必須です。
会社によっては、一種免許(AT限定)では不採用になる場合もあります。
バスやタクシー、ハイヤーなどの旅客運送用の自動車を運転できる、二種免許持ちは賃金アップを期待できます。
普通自動車第二種運転免許
満21歳以上で一種免許取得後3年以上の条件を満たした上で、試験に合格すれば取得できます。また、令和4年(2022年)5月13日施行の道路交通法の改正により、一定の教習を修了した者について、二種免許の受験資格を19歳以上、且つ普通自動車免許等の保有期間が1年以上に引き下げる等の特例が実施されています。
給料
給与形態は、時給制、日給制、月給制、歩合制と様々あります。
時給は地域差があり、一般的に一種免許保持者は1,000~1,500円、二種免許保持者は1,200~2,000円。1案件毎に歩合を上乗せする会社もあります。
日給制の場合、勤務時間6時間以上の条件付き固定額や、最低保証額5000円~7000円にプラス歩合制などがあります。
時給制と日給制の場合、待機時間の給料は発生します。また、即日払いの会社が多いです。
完全出来高の歩合制の場合、待機時間の給料は発生しません。給与の割合は料金の約55%~60%が相場です。
月給制の場合、約15万円~22万円の人が多いです。
服装、髪型
服装は、カジュアルOKからワイシャツ、ネクタイ必須まで、会社により異なります。会社からワイシャツ、ネクタイを貸与する場合もあります。
髪型は常識の範囲内とするところが多く、特に制限はありません。
休憩時間、食事時間
会社により異なるが、一般的に休憩時間は、4~6時間の勤務時間で約1時間設定されます。また、決まった食事時間はないが、休憩時間に軽食を取ることは可能です。
トラブル対応
交通事故
仕事中に事故を起こした場合、運転代行の会社が損害を賠償する義務を負うので、運転代行の利用者は勿論、運転代行者(客車と随伴者の運転者)が責任を負うことはありません。
事故の相手ドライバーと運転代行会社の間で過失の割合が決まり、当事者間において示談交渉や損害賠償金の支払いが行われます。もし、運転代行の利用者や運転代行者がケガをした場合、その損害賠償金は相手ドライバーや運転代行会社に請求します。
運転代行会社は、事故発生時、損害賠償措置が取れるよう、保険又は共済に加入することが義務化されています。国土交通省の定める補償基準は、損害賠償額 対人:8000万円以上、対物・車:200万円以上です。
また、事故のケースによっては、より多くの補償が必要になる場合もあるが、運転代行会社が運転中の損害補償については、代行利用者が加入している任意保険は利用できません。
お客様とのトラブル
運転代行の利用者は、ほとんどが酔ったお客様になります。
酔ったお客様から理不尽なクレームを受けたり、言いがかりをつけられたり、絡まれたりするようなこともありますが、そのような場合も、丁寧に辛抱強く話を聞き、お客様の機嫌を損ねないよう気遣います。ある程度の我慢強さとコミュニケーション力が必要になります。
また、客車の運転手は目的地をヒアリングしながら送り届けなければなりません。話の通じる酔ったお客様ばかりとは限らないため、コミュニケーションがとれず、目的地が分からず、困ってしまうこともあります。
メリット、デメリット
運転代行のメリット、デメリットを紹介いたします。
メリット
- 給料を即日日払いでもらえる。
- 前払い、日払い制度ありの会社が多い。
- お客様からたまにチップをもらえる。
- 二種免許を持っていれば、色んな車を運転できる。
- 二種免許取得者は時給が良い。
- 昼間は自由に過ごせる。
- 夜間仕事なので、ダブルワークしやすい。
- 特別なスキルが必要無く、未経験から始めやすい。
- 二種免許を取れる可能性がある。
- 随伴車の場合、運転中は基本一人なので気楽です。
- 一人の時間多く、楽。
- 随伴車の無線操作がおもしろい。
デメリット
- 酔った客に絡まれることがある。
- 交通事故のリスクがある。
- 事故を絶対に起こせない緊張感で精神的に疲れる。
- 仕事中眠くなる。
- 生活リズムが乱れる。
- 昼の本業が辛い。
- その日のパートナーと相性が合わないと辛い。
- マニュアル免許持ってないと駄目な会社もある。
- お店や道を覚えるのが面倒。
- 暇な日は稼げない。
- 待ち時間が長いこともある。
- ブラックな運転代行会社に注意が必要。
運転代行はきつくて、ブラック?
本当に運転代行はきつくて、ブラックな仕事なのかを検証するため、多くの体験談、口コミ、および評判の情報を集め、内容を確認しました。そして、より多くのリアルな意見を取りまとめましたので、ご紹介させて頂きます。
- お客様は大抵酔っ払いで、相手をするのが疲れる。
- 女性の場合、セクハラ発言を受ける可能性が高い。
- お客様からたまに意差し入れや、臨時のチップを貰えることがある。
- 会話好きな人やコミュニケーションが苦手じゃない人が向いている。
- 台風や積雪時など、悪天候な時に運転することもある。
- 大型車や左ハンドル車を運転するスキルが必要。
- 目的地が山奥だったり、極細道を運転することもある。
- 客との接客やパートナーとの相性で精神的に疲れることもある。
- 運転好きには向いている仕事。
- ある程度のコミュニケーション力が必要。
- お客様との会話が勉強になることもある。
- 二種免許持ちは多くの種類の車を運転できる。
- 色んなお客様に出会える。
- 昼の本業とのダブルワークは、昼の本業に必ず影響が出る。
- 安全運転と丁寧な接客が何より大事。
- 生活リズムは崩れる可能性が高い。
- 前日飲酒できない。
- 仕事中、眠くなる。
- 反社の利用者も多い。
ネガティブな体験談や口コミが多いように見えますが、会話好きでコミュニケーションを取るのが得意な方や、運転好きな方にはピッタリな仕事のようですね。色んなお客様が利用されるので、会話の中で勉強になる話もあったり、偶にチップを貰えたりと、悪いことばかりではないと感じました。
運転代行に向いている人、向いていない人
この記事を読んで運転代行をやってみたいと思ったけど、自分が向いているのか、向いていないのか、気になりますよね?ここでは、どんな人が運転代行に向いているのか、向いていないのかを、まとめましたのでご覧下さい。
運転代行に向いている人
- 人と会話するのが好き。
- 夜型の生活スタイルが合っている。
- 夜更かしが苦にならない。
- 昼の本業と合わせて副業を始めたい。
- 安全運転ができる。
- 物怖じしない。
- 臨機応変な対応が出来る。
- お客様対応が出来る。
- 目的地までの効率的な道順を構築できる
- 多くの車種を運転出来る
- 二種免許を持っている。
運転代行に向いていない人
- 普段から早寝早起きを心がけている。
- 夜が弱い。
- 人とコミュニケーション取るのが苦手。
- 運転が苦手。
- ペーパードライバー。
- 方向音痴な人。
- 柔軟性が足りない。
Q&A
まだまだ疑問をお持ちの皆様に回答いたします!
どんな人が働いているの? | 学生から社会人まで様々。 副業で夜間や週末のみ副業してる社会人もいます。 |
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年齢制限ある? | ありません。 |
二種免許は必要? | 最低一種免許があれば問題なし。 一種免許もAT限定ではなくマニュアル車も運転できれば尚良し。 もし二種免許を持っていれば賃金アップを期待できます。 |
お客様に絡まれることはありませんか? | お客様は概ね酔っ払いなので絡まれることはあります。 その時は、丁寧な接客を心掛け、お客様が激高しないよう柔軟な対応が必要になります。 |
ブラックな運転代行会社はありますか? | 多くはありませんが、あるようです。 見極め方としては、運転代行会社は都道府県公安委員会の認可が必要になるため、まず6桁の認定番号が「第123456号」と正しく登録されていることを確認します。 そして、その番号で過去に営業停止などの行政処分を受けているかどうかを調べます。 無認可だったり、過去行政処分を受けている運転代行会社は避けたほうが良いと思います。 |
まとめ
運転代行は、基本的に一種免許さえあれば、随伴車を運転できるため、未経験でも気軽に応募できます。随伴車を運転する場合、ほぼお客様と接しないため、接客が苦手な人でも務まりやすいです。
一方、客車を運転する場合、大型車から左ハンドルまで様々な車を運転するため、ある程度の運転スキルが必要です。又、場合によっては酒癖の悪いお客様を接客するため、コミュニケーション力は勿論ですが、柔軟な対応力も求められます。
そして、運転代行で何より大事なことは、夜間仕事になりますので、十分な体調管理と、細心の安全運転の心掛けることに尽きます。