日本料理店での給仕や着物屋さんでの販売員のお仕事など、着物を着用して働くアルバイトってありますよね。着物にはちょっと興味あるし、格調高い和のしつらえの空間で働くのって素敵だなぁとか、着物制服バイトに興味を持つ方もいるのではないでしょうか。でも、周囲に着物アルバイトの経験者も少ないし、情報がない、、ちょっと不安ですよね。
今回は、そんな着物を着用するアルバイトについて、経験者の声を元に分析・解説したいと思います！バイト選びの参考にしてくださいね。
着物アルバイトはきつい？
一口に着物着用のアルバイトと言っても、大きく分けて日本料理店や料亭、旅館などでの給仕をするお仕事と着物屋さんで着物を販売するお仕事の2つに分けられます。
体験者の声としてまず共通するのは、慣れるまでは着物の着付けに時間がかかるということです。まぁ、これは当然と言えば当然かもしれません。でも、二部式という簡易式の着物もあり、アルバイトの場合はこの簡易式の着物を着る場合もあるようですよ。いずれにしても、慣れれば早く着られるようになるそうです。
日本料理店や料亭などでの仲居さん・給仕のお仕事で大変な部分というのは、このようなお店は高級店ということもあり、接客においてのふるまい、身だしなみに厳しく、高いレベルを求められるということです。また、お座敷での給仕は、着物を着て立ったりしゃがんだりしなければならず、それがきついという声もありました。
一方、着物屋さんでのお仕事では、やはり販売の仕事ですので、ノルマとまでは言わないまでもそれなりに積極的に販売することが求められ、お客様を呼び込んだり、あるいは友達や親戚への紹介を依頼されることもあるそうで、そのあたりが辛いといわれる要因の一つのようです。
着物アルバイトはきついの？と心配される理由は、ざっくりいうとこのあたりのようです。
着物アルバイトの仕事内容
日本料理店・料亭
高級な日本料理店、料亭、割烹、和風旅館、お座敷での給仕・接客、仲居さんのお仕事になります。皆さんも、しゃぶしゃぶ屋さんやカニ料理店などに行った際、料理を運ぶ店員さんが着物姿だった経験、あるのではないでしょうか。
具体的には以下のようなことがお仕事に含まれます。
- テーブル席へ料理を運ぶ
- お座敷での膝をついての給仕
- 客席のコンロに火をつけるなどの作業
- お料理やお酒についての説明、高級店では使用している器などの説明なども
- お座敷などでの宴会の準備
着物店・着物レンタル店
着物店や着物レンタル店での店員さんのお仕事です。百貨店やショッピングビルなどに入っていることが多いようです。チェーン店なども含まれます。
- 店内の掃除をしたり、ディスプレイを綺麗に見やすく整える
- 店頭でお客様の呼び込みをする
- 展示会やイベントでの接客
- 着物に合わせて小物をコーディネートして販売
- 友達・親戚への紹介を求められることも
着物アルバイトの時給・待遇
お給料や待遇といった点ではどうでしょうか。
まずは気になる時給の方ですが、日本料理店等での給仕のお仕事も着物屋さんでの販売員のお仕事も、他の飲食店やファーストフード店での接客や、一般的な商品の販売員よりは時給は高めのようです。地域にもよりますが、おおむね900円台後半から1300円くらいまでと言ったところでしょうか。お料理の値段や販売する商品が高いので、接客も高度になりその分時給も高めになります。
待遇について見ていきましょう。
制服の着物は貸与されるものの、足袋や髪留めなど、場合によっては腰ひも、長じゅばん、襟芯といった着付けに必要な小物は自分で購入しなければならないお店もあるようです。
着物アルバイトのメリット
時給が比較的高い
時給・待遇のところでお話しましたが、なんといっても時給が高めというのはメリットでしょう。お金を稼ぐためのアルバイトですからね。
着付けを覚えられる
そして、着物の着付けを覚えられることも着物好きにはメリットでしょう。最初は先輩や社員の方に教えていただいて、着付けに必要な小物や手順を覚え、はじめは時間がかかっても慣れるにつれて、一人で早く着られるようになります。着物の着付けができるというのは、その後も役に立つ場面があるかもしれません。
綺麗な身だしなみが身につく
また、一流の料亭などでは、身だしなみやその立ち居振る舞いにも品性や美しさが求められます。ふすまの開け閉め、お料理を差し出す時など、着物を着ている際の身体の動きは普段洋服を着ている時とは異なります。アルバイトをしているうちにマナーやこのような美しい身のこなしが身につき、別の場所でも一目置かれることがあるかもしれませんよ。
和のしつらえ、文化に触れることができる
高級旅館や料亭では、お料理だけでなく空間の演出に関しても気が配られています。ふすまや欄間などに見られる日本文化ならではの繊細な美しさ。また、季節や暦に合わせて、お花や掛け軸を飾ります。お料理に使われる器の知識も増えていくことでしょう。
着物や一流品に対する目利き
着物の善し悪しの見分けは、普段着物に接していない人にはわからないもの。着物屋さんで働けば高級な帯や反物を目にする機会も多く、審美眼が磨かれます。着物だけでなく、草履や和装用のバッグなどの小物類についての知識も得られるでしょう。
高級な日本料理店、料亭でのアルバイトでは、掛け軸、器、壺などの調度品が有名な作家物であったり、また、お酒や料理素材の目利きができるようになるかもしれません。家族にも尊敬されちゃうかもしれません。
着物アルバイトのデメリット
着付けのための早出
着物の着付けは慣れとともに早くはなりますが、それでもやはり時間はかかるので、そのために実際の仕事開始時間よりも早めに行く必要があります。職場によってはこの時間が時給に含まれないというケースもあるようです。この点はよく確認しましょう。
身体的につらい
お座敷など立ったり座ったりという動作が多い職場では、膝や普段使わない場所が痛くなるなどの声もありました。
着物の購入
これは着物店での販売のお仕事の場合ですが、お客様に勧めるのはもちろんですが、親戚・知人を紹介するように言われたり、また、もともと着物が好きだということもあり、ついつい自分が購入してしまい、大きな出費になったという意見も見られました。
人間関係
マナーや所作が求められるため、先輩の指導がやや厳しいという意見もありました。でもまぁ、人間関係はその職場に入ってみないとわからない部分もあるのではないでしょうか。
きものアルバイトのまとめ
さて、ここまでお届けした着物を着用してのアルバイトについてのレポートいかがでしたでしょうか。
着物好きならやっぱり興味はありますよね。時給が高めだったり、着物や日本文化についての知識が深まり、おまけに身だしなみも身につくというメリットは着物アルバイトの最大の魅力かも知れません。
一方で、着物ならではのデメリットとして、着付けや動作性の問題があったり、着物販売のお仕事であればノルマと言わないまでも、それなりに積極的に販売することが求められるかもしれません。
このあたりのメリットとデメリットは人によって異なるのではないでしょうか。デメリットを上回るメリットがあれば検討する価値はあるでしょう。まずは応募してみて、面接で条件や実際の勤務について詳しい話を聞いてから決めても遅くはありません。なんでも挑戦です、トライしてみましょう！
